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会計ソフトを導入した場合の仕訳は?勘定科目について解説

会計ソフトを導入したとき、購入費やシステム利用料などの仕訳がわからなくてお困りの方も多いのではないでしょうか。

「会計ソフトを導入したとき、購入費の勘定科目はなに?」
「インストール型とクラウド型で、仕訳は変わる?」
「会計ソフトは減価償却の対象?」

この記事では会計ソフトの特徴と導入したときの勘定科目、減価償却についてわかりやすく解説します。

目次

インストール型会計ソフトとクラウド型会計ソフトの特徴は?

会計ソフトは、次の2つの種類に分類されます。

・インストール型:電気屋などでパッケージソフトを購入する
・クラウド型:インターネット上で提供されるソフトを使用する

それぞれの特徴を知って、日々の経理業務が楽になる会計ソフトを選びましょう。

インストール型会計ソフト

インストール型会計ソフトとは、オンラインや家電量販店などでパッケージソフトを購入してパソコンにインストールするタイプのものです。

以下のような特徴があります。

・インターネット環境は不要
・ウイルス感染などのリスクが低い
・処理スピードが速い
・ソフトの購入代金のみで使用可能

インストールを行ったパソコンでしか使用できないので、経理業務を行う人が決まっていたり少人数の場合はインストール型会計ソフトが便利です。

クラウド型会計ソフト

クラウド型会計ソフトとは、オンライン上でシステムにアクセスして会計処理を行うタイプです。サービス料を月会費や年会費として支払います。

以下のような特徴があります。

・インターネット環境さえあれば、どこでも作業できる
・バージョンアップが自動で完了する
・共有可能なので、社員それぞれが入力でき作業効率がアップする

スマホで完結するソフトもありどこにいても手軽に入力できるので、これから会計ソフトの導入を考えている人はこちらがオススメです。

会計ソフトの勘定科目は?

会計ソフトを導入した際にかかる費用の勘定科目は、「消耗品費」か「通信費」にするのが一般的です。

勘定科目には「この費用は、この勘定科目にしなければいけない」というような決まったルールがありません。

ただ財務状況を正確に把握するために、初めに使用した勘定科目に従って後の仕訳は同じルールで作成しましょう。

ただし、勘定科目の「雑費」を使うときは注意が必要です。

他の勘定科目に該当しないもので、少額かつ一時的な費用のみに使用しましょう。

「雑費」が多額だと、税務調査で何に使った費用なのかを問われることがあります。

消耗品費とは

「消耗品費」とは、こちらの購入費用になります。

・帳簿や文房具などの消耗品
・パソコンやコピー用紙
・使用可能期間が1年未満か取得金額が10万円未満の備品

インストール型会計ソフトの購入費用や事務所に置く家具など(いずれも10万円未満)も消耗品費として仕訳するのが一般的です。

通信費とは

「通信費」とは、こちらの購入費用や月額(年額)費用になります。

・携帯電話
・郵便料金や切手代
・インターネットなど

クラウド型会計ソフトの月額使用料や年額使用料も通信費に含まれます。

インストール型会計ソフトを導入したときの勘定科目

インストール型会計ソフトの勘定科目は一般的に「消耗品費」とします。
インストールをするときや、環境設定を行うときにかかった費用も含めます。

ただし、10万円以上のソフトを購入した場合は「ソフトウェア」で無形固定資産として仕訳をします。

詳しく見ていきましょう。

購入費が10万円未満の場合

購入費が10万円未満のインストール型会計ソフトの勘定科目は、「消耗品費」とします。

個人事業主や小規模事業向けであれば、ほとんどがこちらの仕訳方法となります。

例)インストール型会計ソフトを現金で購入(購入代金30,000円)した場合

<借方>消耗品費 30,000 <貸方>現金 30,000

購入費が10万円以上の場合

購入費が10万円以上となれば、減価償却の対象となる無形固定資産の「ソフトウェア」として仕訳をします。

減価償却の仕訳処理も必要です。

例)500,000円のインストール型会計ソフトを現金で購入した場合

(ソフトウェアの耐用年数は5年のため、年間の減価償却費は 500,000÷5=100,000です。)

<借方>ソフトウェア 500,000 <貸方>現金 500,000

決算時の減価償却処理はこちらです。

<借方>減価償却費 100,000 <貸方>ソフトウェア 100,000

会計ソフトは減価償却の対象になるのか

インストール型会計ソフトで10万円以上の場合は減価償却の対象となりますが、クラウド会計ソフトの場合は対象とはなりません。

クラウド型会計ソフトを導入したときの勘定科目

クラウド会計ソフトを導入したときの勘定科目は、「通信費」とするのが一般的です。
こちらは、10万円以上で購入した場合でも全額経費として仕訳ができます。

例)クラウド型会計ソフトを月額10,000円の口座払いで契約した場合

<借方>通信費 10,000 <貸方>預金 10,000

インストール型会計ソフトの場合

会計ソフトなどのソフトウェアは、無形固定資産と呼ばれ、「時間の経過によって情報の価値が落ちる」と考えられています。

減価償却資産の条件である「購入費10万円以上と1年以上の使用」にあてはまれば、減価償却の対象となります。

ただし、個人事業主や資本金1億円以下の中小企業などを対象に少額減価償却資産の特例がある場合も。

取得金額が30万円未満の減価償却資産を導入した場合は、合計額300万円を限度として全額損金にすることが可能です。

通常であれば、費用にして減価償却の処理が必要ですが、少額減価償却資産の利用をすれば、全額を消耗品として経費として精算できます。

クラウド型会計ソフトの場合

クラウド会計ソフトの場合は、減価償却の対象とはなりません。

使用者は、本体を取得したわけではないので「資産が増えた」とはいえないからです。

まとめ

この記事では、インストール型とクラウド型それぞれの会計ソフトの特徴を紹介しました。

勘定科目については、インストール型は「消耗費」でクラウド型は「通信費」とするのが一般的です。

インストール型会計ソフトで購入費用が10万円以上の場合は減価償却の対象となるので仕訳時に注意が必要です。

勘定科目については、明確なルールが決まっているわけではありません。
ただし、会社や事業の状態を正確に把握するために必要ですので、それぞれのルールを作って、正しい仕訳ができる力を身につけていきましょう。

この記事の監修者

筧 智家至

グランサーズ株式会社 代表取締役CEO
公認会計士・税理士

1980年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。
2004年に監査法人トーマツ(現:有限責任監査法人トーマツ)に入社。 2012年に税理士法人グランサーズの前身となる筧公認会計士・税理士事務所を設立。 2013年にグランサーズ株式会社の前身となるMeguro Growth Consulting Partners株式会社を設立。
スタートアップからIPO(上場)準備会社まで、あらゆる成長企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティング、経理を中心としたバックオフィス支援サービスにより中小企業経営者の信頼と定評を得ている。
また、経理未経験者を積極的に採用し、学習と実務を同時に提供できる環境づくりに注力。経理未経験者を育て上げ、東証プライム(東証一部上場)企業へ転職させた実績多数。これまでに延べ100名以上の経理人材を育てている。

スタディジョブ 運営部

2021年生まれ。 BPOや業務効率化など企業成長のためになることがすき。 特にスタートアップやベンチャーなど新しいことに挑戦している人たちを応援するのが生きがい。 知りたい情報のリクエストも受け付けてます!

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