会社設立の方法と手順がまるわかり! 起業に必要な基礎知識まとめ
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会社設立には、さまざまな必要書類の作成と手続きが必要です。
起業する場合、まずは会社設立に必要な手続きと費用の全体像を把握しましょう。
個人事業主から法人化する場合でも、個人事業主として事業を営む場合にくらべて必要な手続きが増大します。
本記事では、会社設立の方法について必要な知識と手順をまとめます。
目次[非表示]
- 1.会社と個人事業主の事業開始方法の違い
- 1.1.会社の種類と違い
- 2.会社設立の方法・手順
- 2.1.定款の作成・認証
- 2.2.資本金の払い込み
- 2.3.資本金の最低金額と目安
- 3.会社設立登記
- 3.1.会社設立登記にかかる費用
- 3.2.申請書に添付する書類
- 4.会社設立は自分でできる?専門家に依頼すべき?
- 4.1.登記申請なら司法書士
- 4.2.書類作成、許認可が必要なら行政書士
- 4.3.設立後のバックオフィス業務は、税理士、会計士、社労士など
- 5.会社設立後に必要なこと
- 5.1.銀行口座開設
- 5.2.税務署への書類提出
- 5.3.役場への書類提出
- 5.4.年金事務所への書類提出
- 6.業務効率化が会社設立後の成長のカギ
- 7.会社設立後のバックオフィス業務の効率化にはオンラインアシスタントサービスがおすすめ
会社と個人事業主の事業開始方法の違い
会社が事業を開始するにあたっては、法務局において会社設立登記を行います。登記のためには、会社概要を定めた定款の作成や資本金の払い込みなど、さまざまな書類や手続きが必要で、費用もかかります。その分、会社を設立すると取引や融資において信用を得やすい面があります。個人事業主が事業を開始するにあたっては、税務署に開業届を提出する必要があります。開業届は簡単な書類で、費用もかかりません。
会社の種類と違い
会社とは、民間法人のうち営利法人を指します。「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類があり、以下のような大きな違いがあります。
種類 |
出資者との関係 |
出資者の責任範囲 |
株式会社 |
出資者(株主)と経営者(取締役)が別 |
有限責任 |
合同会社 |
出資者(株主)=経営者(社員)
|
有限責任 |
合名会社 |
無限責任 |
|
合資会社 |
出資者は有限責任 +無限責任社員 |
有限責任の場合、会社の債務について自身の出資額の範囲で責任を負います。一方、無限責任は責任を負う限度が決められておらず、負担が大きくなるリスクがあります。
会社設立では、一般的に株式会社が多いですが、合同会社を選択するケースも増えています。本記事では、株式会社の設立を基本にしつつ、合同会社の設立についても簡単に補足します。
会社設立の方法・手順
会社設立の方法を大きくまとめると、以下の3つの手続きがあります。
・定款の作成・認証
・資本金の払い込み
・会社設立登記
定款の作成・認証
「定款(ていかん)」とは、出資者が決めた会社についての基本的事項です。会社設立では、発起人が定款を作成し、原本に署名または記名押印を行います。電子定款の場合、定款をPDFで作成し、電子署名を行います。定款作成は、行政書士や司法書士に依頼することも可能です。
定款作成後、株式会社の場合は、会社の本店を置く予定の都道府県の公証人役場で認証を受ける必要があります(定款の認証)。合同会社の場合、認証は不要です。
日本公証人連合会HPの「定款等記載例(Examples of Articles of Incorporation etc)」ページでは、株式会社の規模ごとの定款の記載例が掲載されており、定款作成の参考になります。
定款の記載事項
定款の記載事項は、以下3つに分類されます。
1. 絶対的記載事項:法律上(会社法27条)必ず記載しないと定款が無効となるもの
2. 相対的記載事項:定款に記載しないと効力が生じないもの
3. 任意的記載事項:記載するかしないか当事者に任されているもの
定款に必ず記載する必要がある「絶対的記載事項」は、以下の通り。
1.目的
2.商号
3.本店の所在地
4.設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
5.発起人の氏名又は名称及び住所
なお、(4)について、会社が発行する株式の総数については、定款作成時に定める必要はないものとし、設立中の株式引受け状況を見極めながら、設立登記申請時までに定款に定めればよいことになっています。
定款認証の手数料
定款の認証には以下の手数料がかかります。
・定款認証手数料(公証人手数料令35 条)
-資本金等の額が100万円未満:3万円
-資本金等の額が100万円以上300万円未満:4万円
-その他:5万円
・謄本手数料: 250円/枚
-8枚(合計2,000円)程度必要
・印紙代:4万円
-電子定款のときは不要
商号が決まり次第印鑑を作成
会社の商号が決まり次第、印鑑を作成します。登記申請の際には、同時に会社印(実印)の「印鑑届出書」提出が必要です。印鑑の作成には時間がかかるので、早めに準備しておきましょう。また、必要に応じて「銀行印」「角印」も作成します。
資本金の払い込み
各出資者が発起人の銀行口座に振り込みを行います。法人の口座は登記後にしか開設できないため、この時点では、発起人個人の口座に振り込みます。振込完了後、通帳の以下のページをコピーして振込証明書を作成します。
・裏表紙・表表紙
・1ページ目
・振込確認ができるページ
※ネットバンキングの場合:「銀行名・支店名・口座番号・口座の種類・口座名義人・振り込み金額・日付」がわかるページを印刷。
振り込みのコピーと一緒に振込証明書の作成も必要になります。忘れずに準備しましょう。
資本金の最低金額と目安
資本金は1円でも会社設立が可能ですが、少なくとも300~500万円程度は用意することが多いようです。資本金は事業開始後に利益が出るまでの会社の運転資金であり、取引や融資の際、資本金は会社の信頼度を測る要素でもあります。そのため、あまり資本金が少ないと事業運営に支障をきたします。
資本金の基準のひとつが、1,000万円です。資本金1,000万円未満の場合、消費税納税義務が最大2年間免除されますが、資本金1,000万円以上の場合は初年度から消費税の課税対象になります。
また、業種によって必要な資本金は異なります。目安は、初期費用+3~6カ月分の運営資金です。旅行業や建設業などの許認可が必要な業種は、そもそも開業するために一定の資金が必要です。
会社設立登記
本社所在地を管轄する法務局に会社設立の登記申請を行うことで、会社が設立されます。登記申請を行った日が会社の設立日となります。登記申請は、書面またはオンラインで、会社の代表者が行います。代理人として司法書士に依頼することも可能です。登記の登録が完了すると、「登録完了証」が交付されます。
会社設立登記にかかる費用
会社設立の登記申請では、「登録免許税」を支払う必要があります。税額は資本金の1000分の7です。ただし、その額が15万円未満の場合は、15万円を支払います。つまり、最低でも15万円が必要になるということです。
申請書に添付する書類
登記申請書には、以下の書類を添付します。
1.定款
2.発起人全員の同意又はある発起人の一致があったことを証する書面
3.設立時取締役等の就任承諾書
4.設立時代表取締役の就任承諾書
5.設立時取締役等の調査報告を記載した書面及びその附属書類
※会社法第28条に掲げる事項につき検査役の調査を受けた場合に添付を要する。
6.金銭の払込みがあったことを証する書面
7.印鑑証明書
※設立時代表取締役(取締役会設置会社)/設立時取締役(取締役会非設置会社)が
就任承諾書に押印した印鑑につき市町村長が作成した印鑑証明書。
8.設立時取締役等の本人確認証明書
※就任承諾書に押印した印鑑につき市町村長の印鑑証明書が添付されている場合を除く。
9.資本金の額が会社法及び会社計算規則に従って計上されたことを証する書面
※設立に際して出資される財産が金銭のみである場合は、添付を要しない。
10.設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
11.代理人によって登記を申請するときは、その権限を証する書面 等
印鑑を法務局に登録する
書面申請の場合、上記に加え、印鑑届書に所要事項を記載し、届出印(会社代表者印)を押印するほか、会社代表者の個人印をも押印し、当該印鑑届書を提出します。
会社の実印が法務局に登録されたら、「印鑑カード」の交付申請を行いましょう。印鑑カードは、銀行の口座開設や税務署への各種書類提出などの際に必要な「印鑑証明書」を発行するのに必要です。
会社設立は自分でできる?専門家に依頼すべき?
前述の通り、会社設立にはさまざまな書類の準備や手続きが必要です。自分で対応することは不可能ではありませんが、専門的な知識も必要で、時間と労力がかかります。必要に応じて行政書士や司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
登記申請なら司法書士
定款の作成から会社設立の登記まで、会社設立の一連の流れを専門家に依頼したい場合は司法書士に相談しましょう。特に、登記申請を代行できるのは司法書士だけなので、登記について依頼したいときは司法書士への相談がおすすめです。
書類作成、許認可が必要なら行政書士
定款の作成など、官公署に提出する書類の作成を依頼したいときは、行政書士にも相談できます。また、許認可が必要な業種の書類の作成については、行政書士が専門です。必要な書類作成だけ依頼することで、多少費用を抑えることもできます。
設立後のバックオフィス業務は、税理士、会計士、社労士など
会社設立後、バックオフィス業務については、税理士や社労士への相談も検討しましょう。
税理士は、税務書類の作成や税務相談に対応しています。税務書類の作成は、法人になると複雑さが増します。早めに頼れる税理士を見つけることをおすすめします。また、税理士には節税についても相談できます。
社労士は、社会保険の業務代行や労務管理の相談などに対応しています。会社を設立して従業員を雇う場合は、必要な手続きについて社労士に相談することをおすすめします。
その他、バックオフィス業務の支援としては、「オンラインアシスタント」「オンライン秘書」と呼ばれるような、日々の業務を代行してくれるサービスもあります。コストを抑えながら負荷の高い業務を外注して効率化できるので、スタートアップや小規模の会社におすすめです。
会社設立後に必要なこと
会社設立は登記して完了ではなく、登記完了後に以下の手続きが必要です。
銀行口座開設
会社設立登記が完了したら、法人の口座開設が可能です。金融機関によって必要書類が若干異なりますが、基本的には以下の書類が必要です。
・登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
・印鑑証明書
・本人確認資料
税務署への書類提出
会社設立後、管轄の税務署に以下の書類を提出します。
・法人設立届出書
・源泉所得税関係の届出書
・消費税の各種届出書 ※消費税課税事業者のみ
必要に応じて以下の書類も提出します。
・青色申告書の承認申請書
・減価償却資産の償却方法の届出書
・棚卸資産の評価方法の届出書
・有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書
役場への書類提出
事業開始から15日以内に、都道府県税事務所・市区町村役場(以下「役場」)に法人設立届出書を提出します。これは、税務署に提出したものと同じ書類です。税務署では国税、役場では地方税を管轄しています。
年金事務所への書類提出
会社を設立すると、社会保険の加入が義務付けられます。会社設立から5日以内に、年金事務所へ以下の書類を提出します。
・健康保険・厚生年金保険新規適用届
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
・健康保険被扶養者(異動)届※従業員の家族が不要に入る場合
また、従業員を雇用する場合は労働保険(労災・雇用)の加入が義務となり、ハローワークや労働基準監督署へ各種書類の提出が必要となります。
業務効率化が会社設立後の成長のカギ
本記事で紹介したように、会社設立に際しては、さまざまな書類の作成や手続きが必要です。必要に応じて専門家の力を借りて手続きを効率化することをおすすめします。
また、会社を設立することでメリットがある一方で、財務・経理業務や、人事・労務業務など、バックオフィス業務の負荷は高まります。会社設立後の大切な時期に、事業の成長に注力できるよう、バックオフィス業務の効率化も、会社設立の際に考えておきたい点です。
会社設立後のバックオフィス業務の効率化にはオンラインアシスタントサービスがおすすめ
オンラインアシスタント・秘書サービスの「SUPPORT+iA(サポーティア)」は、公認会計士が運営・監修する、バックオフィス代行に特化したサービスです。担当者はすべて正社員で、高いサービス品質を保ちながら、月6時間稼働で82,500円から業務の外注が可能です。月の稼働時間内で必要な業務のみ外注できるので、コストを抑えながらバックオフィス業務を効率化できます。会社の成長のために、ぜひご活用ください。
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