スタートアップとベンチャー企業の違いは?それぞれの特徴を比較しつつ解説。
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近年、創業から間もない有望な企業を指して「スタートアップ」と呼ぶことが増えました。
一方、成長中の若い企業を指して「ベンチャー企業」という言葉も従来から使われています。
両者は何が違うのでしょうか?
本記事では、スタートアップとベンチャー企業の特徴と違いを解説します。
目次[非表示]
- 1.スタートアップとベンチャー企業とは
- 1.1.スタートアップの特徴
- 1.2.ベンチャー企業の特徴
- 2.スタートアップとベンチャー企業の違い
- 2.1.事業の革新性の違い
- 2.2.出口戦略の違い
- 2.3.成長スピードと収益プロセスの違い
- 2.4.資金調達方法の違い
- 3.世界を席巻するあの企業もスタートアップだった
- 4.まとめ
スタートアップとベンチャー企業とは
スタートアップとベンチャー企業は、どちらも創業から間もない成長中の企業を指して使われます。
混同して使われることが多い両者ですが、本質的には違うものです。
スタートアップは革新的なイノベーションを目指す企業、ベンチャー企業は既存ビジネスの枠組みの中で新たな事業を開拓する企業を指します。
「スタートアップ」はシリコンバレーで使われ始めた「start-up company」や「start-up」という言葉が日本に入ってきたものです。
一方、「ベンチャー企業」は、「venture business(ベンチャービジネス)」から派生した和製英語です。英語で「Venture(ベンチャー)」というと通常は、ベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルを指すため、注意しましょう。
スタートアップとベンチャー企業の特徴をそれぞれ解説します。
スタートアップの特徴
スタートアップの特徴は、社会の問題や課題を解決するため、革新的な技術やビジネスモデルによるイノベーションを目指している点です。
したがって、既存ビジネスの枠組みの中で目新しい事業を行う企業をスタートアップとは呼びません。
起業からの年数や規模に明確な定義はありませんが、中小企業規模で未上場の企業を指すのが一般的です。
スタートアップの多くはスピード感を持って成長し、短い期間で株式上場やM&Aで事業を他社に売却することを目指します。
スタートアップにはIT企業が多い傾向にありますが、IT企業である必要はありません。ただ、ITは製造業などと比べて、大規模な資金や設備がなくても、技術とアイデアで革新的なビジネスを生み出せるため、必然的にIT企業が多くなっています。
ベンチャー企業の特徴
ベンチャー企業の特徴は、既存のビジネスをもとに、大手企業などが手がけない新規分野・隙間分野で、フットワーク軽く事業開拓する点です。
スタートアップと同じく起業からの年数や規模に定義はありませんが、一般に中小企業規模で成長過程にある企業を指します。
既にビジネスモデルが確立している分野で事業を起こすため、ある程度見通しをもって長期的にビジネスを進められます。
ベンチャー企業には、IT分野に限らず、さまざまなビジネス分野で新たなアイデアで勝負する企業が存在します。
スタートアップとベンチャー企業の違い
スタートアップ、ベンチャー企業とも成長中の若い企業である点は同じですが、事業の性質や目指すゴール、ビジネスのスピード感といった点で大きな違いがあります。
ここでは、次の4つの観点で両者の違いを解説します。
・事業の革新性
・出口戦略
・成長スピードと収益プロセス
・資金調達方法
事業の革新性の違い
スタートアップは、革新的な技術やアイデアで、これまで社会に存在しなかった新たなビジネスを生み出すことを目指す企業です。
イノベーションによって社会の課題を解決し、時に人々の行動や生活スタイルまでも変えるようなインパクトを与えることもあります。
一方、ベンチャー企業は既存のビジネスの枠組みの中で、独自のアイデアを駆使して新たな技術やサービスを生み出すことを目指します。
大手企業などが手がけない分野のニーズを見つけて、市場を開拓し規模を拡大していくビジネスモデルです。
このように、事業の革新性の観点で、スタートアップとベンチャー企業には違いがあります。
出口戦略の違い
スタートアップは、多くの場合、ビジネスの出口戦略として株式上場、もしくはM&Aによる事業売却を目標としています。
そのため、スタートアップの創業メンバーは、上場や売却を果たすと経営をその道のプロに任せ、得た資金を元手に次のスタートアップを立ち上げることもあります。
一方で、ベンチャー企業は、明確な出口戦略は定めず、事業を継続して規模や収益の拡大を目指すことが一般的です。
スタートアップと比べると長期的な視点で安定的な経営を目指す傾向があります。
成長スピードと収益プロセスの違い
スタートアップは、同じアイデアを持つほかの企業に先を越されないため、スピード感を持ってビジネスを成長させる点が特徴です。
新しい分野では、いち早くサービスを展開した企業が大きな市場シェアを握る傾向があります。
そのため、創業当初は先行投資によって大きな赤字を出しても、それを乗り越えて市場に受け入れられると、急激な成長が期待できるのです。
多くのスタートアップが創業期の赤字で力尽きる中、生き残った一握りのスタートアップは、市場を独占するほどの巨大企業に成長する可能性があります。
一方、ベンチャー企業は、既に出来上がっている市場でサービスを拡大していくため、スタートアップほどのスピード感はありません。
ビジネスの方向性が見えているため、スタートアップと比べて早い段階で黒字化し安定的な成長が可能です。
資金調達方法の違い
スタートアップは、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から資金を調達するのが一般的です。
スタートアップの事業は前例のない新しいビジネスのため、成功すれば大きな利益が期待できる一方、失敗の可能性も高いハイリスク・ハイリターンなビジネスと言えます。
そのため、安定性や信用力、担保を重視する銀行からの資金調達は困難です。
代わりに、将来性豊かな企業に出資し、上場や事業売却で値上がり益を得るベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から資金調達することになります。
これらの投資家は、期間を決めて投資資金を回収するため、スタートアップは短期間に上場・M&Aというゴールを目指すのです。
一方、ベンチャー企業は既存ビジネスの延長線上で新たなサービスを展開するため、スタートアップに比べると事業の見通しが立てやすい特徴があります。
早期に黒字化する事業計画を示せれば、銀行からの融資を受けることも可能です。
銀行融資を受けられたベンチャー企業は、長期的な目線で安定経営を目指せます。
世界を席巻するあの企業もスタートアップだった
革新的な技術とビジネスモデルによって、スタートアップから世界を席巻するほど巨大に成長した企業の代表は、Google、Amazon、Facebookでしょう。
この3社は、1990年〜2000年代に創業し、2010年代に入ってAppleと合わせてGAFAと呼ばれ、世界を席巻しました。
Googleはインターネット検索、AmazonはEC、FacebookはSNSの分野で成功し、今では巨大プラットフォーマーとなっています。
Amazonやgoogleが創業当初に大きな赤字を出しながらも積極的な投資を続け、現在の成功につなげたのは有名な話です。
まとめ
スタートアップとベンチャー企業の特徴と違いを解説しました。
同じ成長中の若い企業を指す言葉ですが、まったく異なる企業の特徴を持つことがお分かりいただけたでしょうか。
しかしどちらも、リスクをとって世の中に新しいサービスを生み出そうとするチャレンジ精神にあふれた企業であることに変わりはありません。
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