スタートアップにおける4つの成長ステージとは?それぞれの段階の特徴や違いについてわかりやすく解説。
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短期間で急成長を遂げることが特徴のスタートアップ。様々な革新的なサービスを生み出す形態として注目されていますが、実はその成長の過程はどこも似たような段階を経ることが多いとされています。
スタートアップ企業の成長には4段階のステージがあるのです。
本記事ではスタートアップの4つの段階について、それぞれの特徴や違いについて解説をします。
さらに、その4段階が終わった後の事業の遷移についても紹介をします。
目次[非表示]
- 1.そもそもスタートアップとは
- 1.1.中小企業との違い
- 1.2.ベンチャー企業との違い
- 2.スタートアップには4つの段階がある
- 3.スタートアップの4段階の後の展開「EXIT」
- 3.1.株式市場への上場(IPO)
- 3.2.M&Aによる事業会社への売却
- 4.まとめ
そもそもスタートアップとは
そもそもスタートアップとはどんな業態を指すのでしょうか。
スタートアップとは、起業したての若い会社というイメージを持っている方は多いかもしれません。
実は、スタートアップの業態には明確な定義はありません。
業種や事業規模など客観的な情報による区分は行われていないのです。
起業したての会社でも、例えば着実に少しずつ業態を拡大していこうとする会社の場合は「スモールビジネス」と呼ばれ、スタートアップとは区別されます。
これまでの市場にはない新しいイノベーションをもたらすことにより、事業の急成長を目指すのがスタートアップの特徴の一つです。
中小企業との違い
スタートアップと混同して理解されやすい会社の形態に、中小企業があります。
中小企業には、資本金・出資金額及び従業員の人数による明確な定義が設定されています。
スタートアップは、起業したての団体であることが多いため、中小企業の定義に含まれることがほとんどです。
しかし、起業したての中小企業がすべてスタートアップに含まれるかといえばそうではありません。
スタートアップはあくまで急成長を目指すことを主眼に置いています。また前述した通り、これまでの市場にはない新しいイノベーションをもたらすという点で特徴があります。
ベンチャー企業との違い
スタートアップは、ベンチャー企業とも混同されやすいです。
確かに、新しい商品やサービスを提供する点や、事業規模が小さい点など共通点が多いのは事実です。
しかし、両者の違いは「成長スピード」及び「イノベーション」の2点において顕著に表れます。
ベンチャー企業の中には、革新的な新しいサービスを提供する企業もありますが、ある程度市場でのニーズがあることが明確な商品・サービスを提供する企業も多いです。
また、ベンチャー企業はスタートアップほど急速な成長を目指すわけではありません。
新しいサービスを提供しつつ、安定的な経営を目指す会社も多いです。
革新的なサービスを提供し、急成長することを目指すという点がスタートアップの最大の特徴といえるでしょう。
スタートアップには4つの段階がある
スタートアップと一言で言っても、業種や提供するサービス・商品は企業によって様々です。
しかし、そのほとんどが似たような成長段階を経ることがわかっています。
ここでは、スタートアップでよく見られる成長ステージの4段階について紹介します。
シードステージ
スタートアップの1つめの段階は、「シードステージ」といわれます。
シードステージとは、その名の通り種(seed)の段階です。
起業前のアイディア・コンセプトを構築し、課題に対するソリューションの仮設検証(PSF: Problem-Solution Fit)を行う段階までの期間のことを指します。
シードステージでは、イメージした仮説を検証する段階であるため、従業員は3~5人程度の小規模な形態であるのが一般的です。
アーリーステージ
スタートアップの2段階目は、「アーリーステージ」です。
アーリーステージでは、顧客が満足する最適な商品やサービスを、需要のある適切な市場に提供している状態から、一定の収益化ができている状態までの間の段階を指します。
業種によっては、収益化にまで至っていないケースもあります。
事業体として新しい商品やサービスを市場に提供し、一定の評価が得られてきている段階になります。
アーリーステージでは、商品やサービスを生み出すエンジニア数名と、それを営業活動により販売する人員で構成されていることが多く、5~20人程度の規模になっていることが多いです。
ミドルステージ
スタートアップの3段階目は、「ミドルステージ」です。
ミドルステージでは、開始した事業が軌道に乗り、安定した収入を確保できる段階に達しており、新たに事業拡大を見込める状態になっています。
ミドルステージでは、安定した収益を獲得するために組織としても充実している段階といえます。
人事担当や広報担当を確保するなど、20人以上でまとまった組織になっています。
レイターステージ
スタートアップの4段階目は、「レイターステージ」です。
レイターステージでは、主要事業の規模がかなり拡大しており、安定した収入を確保できている状況であることが多いです。
起業したころの主要な事業に加え、新たな事業を開始する段階にあります。
レイターステージにおいては、企業としての組織が整っている段階になっています。
営業部門や管理部門の人員が充実し、次の段階である上場に向けた対策を講じる部門を用意するなど、30人以上の大きな組織になっているケースが多いです。
スタートアップの4段階の後の展開「EXIT」
スタートアップの主要な4段階を紹介しましたが、この段階を終えたスタートアップは、そのあとどのように進展していくのでしょうか。スタートアップとして一定の成果を上げた後は、経営者の考え方によって方針が大きく変わります。
スタートアップが4段階を終えた後に採る進路を、「EXIT」と呼びます。
EXITには、多くの場合以下の2種類の方針を採用します。
・株式への上場(IPO)
・M&Aによる事業会社への売却
株式市場への上場(IPO)
スタートアップ企業は、その後株式市場への上場を目指すケースが多いです。
株式市場に上場することで、それまでの資金調達方法に加えて公開株式による大規模な資金調達が可能になります。また、社会的な信頼も増しますから、融資が受けやすくなります。
これらはさらに新しい事業展開をする資金源として活用ができます。
株式市場への上場は、IPOとも言います。IPOとは「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略称で、株式投資家も注目しているため、非常に高い値が付きやすいという特徴があります。
上場を果たした直後に大きな資金を獲得できるというのが、上場のメリットといえるでしょう。
M&Aによる事業会社への売却
スタートアップの4段階を終えた後、M&Aを活用して第三者の事業会社へ会社ごと売却するという方法があります。
スタートアップの段階で世間に認知されていればいるほど、事業を購入したいと考える企業も多いでしょう。かなりの高値で売却できるケースもあります。
M&Aで売却した後は、所属していた社員ごと譲渡することになるため、新しい企業の傘下で事業を継続することになります。
売却後はもちろん経営に口をはさむことはできないため、起業者が思ってもみない方向に経営が進むケースもあるということは理解しておく必要があります。
まとめ
スタートアップの4つの成長段階とその後の展開について解説してきました。
スタートアップ企業は急速な事業の発展を目指して活動しますが、すべての企業が紹介した4段階を経て成長し、EXITを果たせるわけではありません。むしろ成功してEXITを果たせるのはごく一部なのです。
どんなに可能性のあるビジネスモデルでも、成功の保証はありません。社会情勢の変化や競合の出現などといった様々な壁が待ち受けています。
それでも、スタートアップの華々しい成功には大きな魅力があります。リスクを覚悟して起業を目指す方にとって、本記事が成功へのロードマップを描く一助になれば幸いです。
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