
経理の企業規模による違いを知りたい! わかりやすく解説
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経理業務はどんな企業でも必要ですが、実務の内容や体制は企業によって異なる部分も多くあります。
これから経理を目指す人、経理の転職でキャリアアップしたい人で、企業規模による経理実務の違いについて知りたいという方は多いのではないでしょうか?
本記事では、大企業と中小企業、またスタートアップ企業における、企業規模による経理実務の違いをわかりやすく解説していきます。
目次[非表示]
- 1.基本的な経理の業務内容
- 2.大企業の経理
- 3.中小企業の経理
- 3.1.中小企業の経理業務における問題点
- 4.スタートアップ企業の経理
- 5.まとめ
- 6.経理業務でお悩みのときは、グランサーズにご相談ください!
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基本的な経理の業務内容
中小企業基本法によると大企業と中小企業は社員の人数と資本金または出資額の総額で分類されます。これは業種によって異なるのですが、本記事ではあくまで企業規模による傾向を扱うため、厳密な定義についてはあえて触れません。
さて、企業規模による違いの前に、規模に関わらず共通する基本的なことを押さえておきましょう。
経理業務は、簡単にいうと会社の「お金やモノの流れ」を記録し、管理する仕事です。
日々の取引による現預金の動きや帳票類をチェックして仕訳を行い、一年の総仕上げとして決算書を作成するというのが大きな流れであり、これが経理の主な役割です。
現代は技術の進歩にともない電子会計が主流となっています。経理の実務を手書きを行う会社は少なくなり、会計ソフトに入力することがほとんどです。会計ソフトに日々の取引の仕訳を入力し、その積み重ねが月次決算になり、その積み重ねが半期決算、最終的に年次決算になります。
仕訳、決算業務のほかに主な経理の業務としては以下のようなものがあります。
・日次業務
現預金の入出金管理
領収書の発行、チェック
経費の精算
売上の管理
・月次業務
月毎に発生する請求書の作成、発行
取引先への支払、入金の確認
従業員への給与支払
源泉所得税の納付
・年次業務
棚卸
ボーナスの支払い
年末調整
法人税の確定申告、納付
続いて、企業規模による経理実務の違いについて解説していきます。
大企業の経理
大企業は企業規模が大きいですから、取引が多く経理業務は量も多くなり、事務作業も煩雑になってきます。
また、大企業の経理部門は独立した「経理部」として存在するとともに、資金調達や資金繰りなどを計算する「財務部」と分離されている場合が多いです。
先ほど述べたように、大企業の経理業務は煩雑ですから、経理業務は分業制により役割分担をします。部署としてチームリーダーが存在し、部長課長クラスが職場を管理します。
また、大企業はいわゆる優秀な人材を好む傾向が強く、経理部において税理士資格保有者が社員として働いている場合も少なくありません。
大企業の分業制による各部署の働き
大企業の分業制における経理業務を詳細に区分すると下記の通りになります。
1.売上関連
・売上
・売掛金
・請求書の発行
・領収証の発行
2.仕入関連
・仕入
・買掛金
3.入出金関連
・現金
・預金
・小切手
・手形
・経費
4.給与計算、社会保険料計算、年末調整業務
5.月次、年次決算業務
以上が分業制における業務区分になります。
部長課長クラスは中心軸として、現場社員の職務を管理します。
企業経営におけるコンプライアンスは、組織が大きいほどマネジメントが難しくなります。
大企業は株主を重視した経営を行う必要がありますから、企業の要である経理業務におけるコンプライアンスの徹底は非常に重要です。
大企業の分業制における決算方式と、経理担当者へ要求されること
大企業の経理業務は分業制により、各当部署のリーダーを中心として、月次・年次決算に向かうことになります。
大企業では分業により担当業務を深く掘り下げることになります。経理担当者に要求される知識も専門的になります。
例えば、大企業は資本金が大きいため、子会社を設立したり、関係会社と連携する必要があります。子会社を持つ大企業において、経理担当者は連結決算および連結納税といった簿記検定1級レベルの知識が要求される場面があります。
また、グローバル企業は海外法人と取引したり、海外法人を設立することもありますから、為替レート換算時期など決算上でもハイレベルな知識が要求されます。
このように、大企業の経理業務は場合によっては高度な簿記知識や専門的な税務知識が必要とされます。企業は顧問税理士や監査法人と契約していますが、大企業では経理担当者にも高い知識レベルを求める傾向があります。
中小企業の経理
中小企業の場合は大企業と比較すると経理業務量は少なく、多くの場合分業制ではなく、一人もしくは数人で全体の業務を担当します。規模が小さい会社では経営者や役員が経理業務を行う場合も少なくありません。
大企業では高度な知識を要求されますが、担当部署ごとに同じ業務の連続になります。その業務のスペシャリストが求められるわけです。ところが中小企業では、全ての業務をこなしていかなくてなりません。つまりオールラウンダーになる必要があります。
業務全体をカバーするため、経理の実務能力は中小企業の方が磨きやすいといえます。実務能力が一定水準を超えたら大企業に転職し専門性を磨くというキャリア設計も良いでしょう。
常に学習と研鑽を積み重ねることが大切です。
中小企業の経理業務における問題点
経理は簿記の専門知識を必要とする専門職ですから担当替えが難しいです。少ない人数で業務を回す中小企業の経理においては、一人の業務負担が大きく、業務が属人化しやすいのが問題です。
突発的な休職や離職に対応できず業務が回らなくなってしまうリスクがあります。
また、経営者が経理や財務といったバックオフィスに疎いケースも少なくありません。そうした場合、決算書や財務諸表を作成しても分析ができず、活用することができません。
経理担当は業務に追われて数字を集計した資料を作成するので精一杯、経営者はそれを読み解けないとなると、経営状況が悪化していることに気づけない場合もあり、それではムダやミスを減らすこともできません。
限られたリソースを有効活用することが必要です。
スタートアップ企業の経理
最後にスタートアップ企業、ベンチャー企業における経理について解説します。
創業したばかりのスタートアップ企業では、経営者が自ら会計ソフトを使って経理業務を行うことも多く、経理部というものが存在しない場合もあります。
スタートアップ企業の経理実務では、ほとんどの場合それほど高度な知識や経験は必要ありません。経理担当として当たり前の業務がこなせれば十分です。しかし、スタートアップ企業に経理として入る場合は、経理業務だけをやれば良いというわけではありません。
例えばIT系ベンチャー企業の創業者は、ほとんどがエンジニア出身者ですし、はじめのうちは抱える人材もエンジニアばかりだったりします。経理担当者として採用されたと思ったら自分が唯一の管理部門担当ということもあるわけです。
つまり経理担当者が、総務・人事・法務といったバックオフィス全般を一手に引き受けなければならない可能性があるということです。まったく知らない業務をゼロから進めていかなくてはならない場合もあるでしょう。
しかしハードルが高いぶん、ビジネスパーソンとして大きな成長をするチャンスとも言えます。
バックオフィス業務を丸ごと引き受けるということは、自分が業務を進めやすい体制をオリジナルで構築することも可能です。そういったところにやりがいを感じる人には魅力的でしょう。
また、スタートアップ企業は少数精鋭がほとんどですから、経営者や幹部の顔が見える関係の中で経営に携わっていけるというのも醍醐味のひとつと言えます。
まとめ
どんな業種、規模においても、経理業務が必要ない企業は存在しませんが、経理実務の体制は企業の規模によって違いがあります。
大企業は深い専門知識を要するスペシャリスト、中小企業は業務全般をこなすオールラウンダーというイメージになります。また、スタートアップ企業はバックオフィス全般を管理するやりがいや、大きな成長に繋がるという魅力があります。
本記事が経理での就職、転職、キャリアアップを考える上で参考になれば幸いです。
経理業務でお悩みのときは、グランサーズにご相談ください!
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