ベンチャー企業経営者向け!資金調達の有効な方法や手段などご紹介。
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事業を継続させるためには資金が必要ですが、この資金調達に悩む企業は非常に多く存在します。特に潤沢に資金がないことが多いベンチャー企業では、事業を拡大していくアイデアがあっても、経営資源の制約があるためにそのアイデアを実現することが難しいというケースがあります。
会社を経営するための資本は、必ずしも内部で捻出する必要はありません。外部から、融資・投資などの方法で金銭的なサポートを受けることができます。例えば、公的機関、銀行、消費者からの支援など、種類はさまざまです。
この記事では、ベンチャー企業の資金調達方法と、それぞれのメリットとデメリットを解説します。あなたの会社の状況に合った資金調達方法を見つけて、事業拡大のためのヒントにしてみてください。
目次[非表示]
ベンチャーの資金調達法① 日本政策金融公庫の制度を利用する
一つ目は、日本政策金融公庫から融資を受ける方法です。
日本政策金融公庫は、中小企業者などの資金調達を支援することで健全な発展に寄与することを目的に設立された、全額政府出資の金融機関です。
日本政策金融公庫は起業家への融資スタンスが他金融機関と比較して積極的であるため、融資の要件が軽めであることが特徴です。
日本政策金融公庫から投資を受けるメリット
日本政策金融公庫では、「新規開業資金(新企業育成貸付)」「女性、若者/シニア企業家支援資金」「再チャレンジ支援融資制度」など、いくつかの融資制度を用意しています。貸付先の置かれている状況に合わせた制度を選べるメリットがあります。
また「新創業融資制度」では無担保・無保証人で融資を受けることが可能です。(2021年9月時点)
創業前であること、もしくは創業から間もないことのような制約や、事業計画で審査されるなど条件があります。ただし、ハードルが低いためスタートアップや創業期の企業にとってメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
日本政策金融公庫から投資を受けるデメリット
日本政策金融公庫から融資を受けることには、審査が長いというデメリットが存在します。実際に申請をしてから3週間~1ヶ月程度の時間が必要になります。更に、入金のタイミングによって企業活動が制限されることは、スピード感が重視されるベンチャー創業期には影響が小さくありません。
日本政策金融公庫には資金繰りが厳しい企業にとってありがたい融資制度がいくつもありますが融資されることを前提にした企業活動には大きなリスクが発生します。
ベンチャーの資金調達法② 補助金や助成金を利用する
2つめは、行政が準備した補助金や助成金を活用する方法です。経済産業省や各地方自治体が準備している制度であり、新たなチャレンジをするのに大きく貢献します。
補助金・助成金を使用するメリット
補助金・助成金の大きなメリットは、「貸付」ではない点にあります。審査を通過して交付された後は、ほとんど場合返済する必要がありません。返済利息が発生することもありませんので、利息が利益を圧迫する心配はありません。
また、補助金・助成金の申請の際には、行政から非常に綿密な経営計画を求められることになります。自社を取り巻く外部環境や、同業他社との比較による強みの抽出などの行程を踏むことで、自社の進むべき方向性が明確になり、その後の企業運営の指針を立てるきっかけになります。
補助金・助成金を使用するデメリット
補助金・助成金を使用する最も大きいデメリットは、申請に伴なう作業が非常に煩雑であることです。提出した経営計画が審査に通ったとしても、補助対象の支出ひとつひとつに対して発生した発注書・請求書などの書類を整理して報告することが必要になります。報告に必要な書類は、1,000万円の補助金額ごとに1センチ分にものぼると言われています。
使用用途が明確に決められている、という点もデメリットです。行政は事業者が申請してきた補助事業をサポートしているので、計画と異なる支出をした場合には補助金が支払われなくなる可能性が非常に高いです。
ベンチャーの資金調達法③ 中小企業投資育成会社から投資を受ける
中小企業投資育成会社は、中小企業の自己資本の充実を促進し、その健全な発展を図るため、中小企業に対する投資などの事業を行うことを目的として設立された政策実施機関です。東京、名古屋、大阪の3拠点があります。
中小企業投資育成会社から投資を受けるメリット
中小企業投資育成会社から投資を受けた中小企業は、資金を調達することが出来るうえ、「経営権安定化」「事業承継支援」「人材育成支援」などのコンサルテーションを依頼することが出来ます。中小企業投資育成株式会社は、地方公共団体、各種金融機関、保険会社、証券業界および地元有力企業などの出資で運営されているため、こういった団体から情報を得ることのメリットは非常に大きいと言えます。
また、中小企業投資育成会社からの投資を受けることで、金融機関からの評価に有利に働きます。これはデメリットでもあるのですが、投資を受けるハードルが非常に高いため、その分安全性が高い会社と評価されるからです。
中小企業投資育成会社から投資を受けるデメリット
中小企業投資育成会社から投資を受けるデメリットは、株主(=中小企業投資育成会社)への配当が発生する点です。 中小企業投資育成会社は配当利回りを6~10%期待していることが多いです。つまり事業者からすると、投資を受けた金額に対して6~10%の配当を払う必要があります。
参考まで、東証1部上場会社の予想平均配当利回りは2.06%(2021年8月12日時点)です。中小企業投資育成会社への配当比率は比較的高いことがわかります。前述のメリットと天秤にかける事が非常に重要です。
ベンチャーの資金調達法④ ベンチャーキャピタルからの出資を受ける
ベンチャーキャピタル(以下VC)は、ベンチャーやスタートアップ企業など、高い成長率を見込むことができる未上場企業を対象に株式投資する投資会社です。VCの目的は、投資先の企業が上場した際に保有していた株式を売却し、その株式の価値上昇分で発生する利益(キャピタルゲイン)を得る事です。
VCからの出資を受けるメリット
VCからの出資は、融資ではなく投資になるので、利息を含めて返済の必要はありません。
また前述の通り、VCは投資先企業の上場による利益を目的としているため、手放しで投資先企業に事業運営させるということは基本的にありません。確実に上場させるため、ハンズオンで経営のサポートを実施します。VC側からコンサルタントが派遣されて、上場の為の社内整備など各種準備をする場合があります。社内の人的リソースだけでなく、経験豊富な社外人材のサポートを受けることができます。
VCからの出資を受けるデメリット
自社の株式を受け渡して出資を受けるということは、会社の意思決定権の一部をVCが保有していることを意味します。
上場のためにコンサルティングを受ける事になりますのでひと口にデメリットと言い切ることはできませんが、経営者にとっては、自分のイメージと異なる方向に会社を進ませる可能性が、従業員にとってはこれまでに無かった調整作業が発生する可能性があります。更に、出資を受けた後、上場までの計画が思うように運ばず、成長を見込むことが出来ないとVCに判断された場合には株式の買取請求、つまり資金の引き上げを要求されることがあります。
ベンチャーの資金調達法⑤ クラウドファンディングを利用する
2019年末にクラウドファンディングのプラットフォーム「Makuake」の運営会社である株式会社マクアケが上場し話題となりました。クラウドファンディングは資金調達方法の有力な選択肢のひとつになりつつあります。
クラウドファンディングは、支援者に対するリターンの有無やその方法によって、「寄付型」「購入型」「株式投資型」などの種類に分類されることがあります。この記事では、どの形式にも当てはまるポイントを説明します。
クラウドファンディングを利用するメリット
クラウドファンディングを利用することの最大のメリットは、資金調達のハードルの低さにあります。日本政策金融公庫や、VCから出資を受ける際には事業計画書などを用いた審査を経る必要がありますが、クラウドファンディングの場合には支援者の賛同を得ることで支援を受けることが出来ます。
また、これからリリースをしようとしている製品やサービスが、市場でどの程度評価されるか、テストマーケティングを資金調達と同時にすることが出来ることもメリットの1つです。
クラウドファンディングを利用するデメリット
クラウドファンディングでは、支援者の賛同を得ることが資金調達を成功させるポイントです。つまり、場合によっては資金が十分に集まらない事も想定しなければなりません。製品・サービス自体の魅力も当然重要ですが、プロモーションにも同様に注力する必要があります。Web上での募集であるため、魅力を適切に遡及するための適切なライティングや広告方法で調達額が大きく変動します。自社完結できるのがベストですが、こういった準備の段階でも一定の費用が発生することを認識する必要があります。
まとめ 各ステージに合った資金調達方法を選択すべき
今回は、ベンチャー企業の資金調達の方法について解説させていただきました。
ポイントは、企業の成長ステージ、資金調達の難易度、調達した後に発生する制約を総合的に判断することです。
例えば、創業してまもない状況で一般的な金融機関からの信用が低い状況であれば、日本政策金融公庫の制度融資やクラウドファンディングでの資金調達が適していると言えます。売上が一定水準で安定し、上場を含め大きく拡大を狙う段階ではVCからの出資を受けることを検討しても良いでしょう。
自社のステージや環境をよく考えて、適切な資金調達方法を選択してください。