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預金・現金管理とは?方法や知っておきたい情報をわかりやすく解説

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預金・現金管理は経理業務の基本中の基本と言えます。だからといって簡単な業務というわけではありません。会社の預金や現金は重要な資産であり、万が一ミスをして支払いが滞ったり、預金残高が不足したりすれば、会社全体の信用を失ってしまいかねません。

このように重要な預金・現金管理について、本記事では、具体的な業務内容や知っておきたい情報を詳しく解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.預金管理とは
    1. 1.1.預金口座の管理
    2. 1.2.小切手・手形の管理
    3. 1.3.預金利息の確認
    4. 1.4.残高の確認
  2. 2.現金管理とは
    1. 2.1.現金出納帳の作成
    2. 2.2.現金の保管、金庫への補充・引き出し
    3. 2.3.現金の残高確認
  3. 3.今後の預金・現金管理のポイント
    1. 3.1.キャッシュレス化
    2. 3.2.インターネットバンキング
  4. 4.まとめ
  5. 5.経理・財務業務でお悩みのときは、グランサーズにご相談ください!

預金管理とは

会社で発生する取引の中で、お金に関わることの多くは預金口座を通じて行われます。そのため、預金口座のお金の出入りについて、何の取引にあたるものなのかを常に把握しておかなくてはなりません。

預金管理とは、預金口座の動きを確認し記録をする仕事です。具体的な業務内容について詳しく解説します。


預金口座の管理

預金口座の管理をするにあたって、口座の種類を理解する必要があります。基本は「普通預金口座」「当座預金口座」「定期預金口座」の3種類です。順番に見ていきましょう。

普通預金口座

普通預金口座は、個人が持っている一般的な口座と同じで、自由に入出金ができます。預金口座の残高に対して利息がつきます。

当座預金口座

当座預金口座は、おもに法人が持っており、小切手や手形を振り出すために利用する口座です。利息はつきません。

定期預金口座

定期預金口座は、お金を預け入れる期間を設定し、満期になるまで引き出すことができない口座です。普通預金口座より高い利息がつきます。


小切手・手形の管理

会社の取引において、現金をやりとりする代わりに小切手や手形を使用することがあります。小切手や手形を受け取った場合は銀行へ取り立て、小切手や手形で支払う場合は、押印して相手先に渡します。

小切手や手形のやりとりが行われると、預金口座に入出金が記録されます。そのため、小切手や手形の管理も預金管理の重要な業務の一つです。


預金利息の確認

繰り返しになりますが普通預金や定期預金にお金を預けていると、預金利息がつきます。気をつけなければいけないのは、口座に入金された利息の金額は税金が引かれた後の金額です。

預金利息の会計処理をするには、後日銀行から送られてくる明細書を見て仕訳を起こします。


残高の確認

日々の業務の中で、伝票を記録した帳簿の残高と実際の口座残高が一致しているかを確認します。場合によっては残高が一致しないこともあるかもしれません。その場合は原因をつきとめます。

残高が一致しない原因として考えられる例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 口座引落の伝票を起票していない
  • 取引を重複して伝票を起票している
  • 伝票日付を誤って起票している
  • 手数料が含まれた決済がある
  • 口座に不明瞭な入出金がある

帳簿残高と口座残高が一致するように、常に動きをチェックするようにしましょう。




現金管理とは

会社で発生する取引のうち少額なものは、預金口座ではなく現金でのやりとりします。

そのため会社には金庫があり、一定額の現金を保有しています。現金管理とは、金庫内の現金の確認と記録をする仕事です。ここからは現金管理の具体的な業務内容について詳しく解説します。


現金出納帳の作成

現金管理を行うためには、現金出納帳を作成しなければなりません。現金出納帳とは、現金の出し入れを毎日記録する帳簿です。

現金出納帳の作成例を簡単な例を用いて解説します。

1月10日 ▲▲社より売掛金20,000円の入金があった。
1月23日 〇〇文具店でコピー用紙800円を購入した。


日付

勘定科目


摘要


入金額


出金額


残高

1月1日


前月繰越


300,000

1月10日

売掛金
▲▲社より回収
20,000

320,000
1月23日
事務用品費
〇〇文具店 コピー用紙

800
319,200


合計金額
20,000
800



次月へ繰越


319,200


このように日々の取引について、勘定科目、摘要、金額を出納帳に記載します。月ごとに集計して残高を管理していくのが望ましいです。

昨今では出納帳を手で書くことは珍しいかもしれません。エクセルや会計ソフトを使用すればミスも減りますし、効率的に作成することができるでしょう。


現金の保管、金庫への補充・引き出し

金庫内に現金をいくらくらい持っておけばよいかは、会社のルールによります。リスク管理の観点から、最低限のお金のみを保管することが望ましいでしょう。

金庫内の現金が、一定額以上になった場合は銀行口座へ預け入れし、一定額を下回った場合は銀行口座から補充をします。

また、金庫の管理が誰でもできるようにすることは望ましくありません。金庫の鍵や番号を知っている人は、特定の人物に限定しておくべきでしょう。


現金の残高確認

預金の残高確認と同じく、現金も残高確認をしなくてはなりません。現金残高の確認方法や残高が合わないときの注意点について解説します。

現金残高の確認方法

預金の場合は通帳やインターネットバンキングで残高を確認できますが、現金の場合は手で確認しなければなりません。手順としては以下のとおりです。

  • 現金を数える
  • 現金有高と現金出納帳の残高を照合する
  • 現金出納帳の残高と帳簿の残高を照合する

現金を数える方法としては、毎日金種表を作って金種ごとに数えます。金種表を集計した合計と現金出納帳の残高は一致していなければなりません。

金種表と現金出納帳の残高が一致したら、現金出納帳と帳簿とを照合します。

残高が合わない時の注意点

残高が合わない原因としては、預金のときと同じように伝票の起票し忘れなどがあります。ところが、現金の場合は人の手を介してやりとりするため、金額を間違えて渡すことがないとは言い切れません。

そのため、現金の残高が一致しないときは原因を調べるのが非常に困難なケースが多いです。

どうしても原因が分からないときは「現金過不足」という勘定科目で処理します。気をつけなければいけないのは、現金過不足で処理すればいいと安心してしまうことです。

現金の残高が合わないときは不正を疑われてしまうので、最新の注意を払って確認するようにしましょう。

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今後の預金・現金管理のポイント

時代の移り変わりとともに、会社における預金・現金管理も変わりつつあります。今後の預金・現金管理のポイントについてお伝えします。


キャッシュレス化

近年、お店などで支払いをするときは電子マネーを利用する機会が増え、個人では現金を持つことが減りキャッシュレス化が進んでいます。

今後は、会社間の取引においても電子決済の流れが加速していくものと思われます。経理担当者も最新の動向について把握しておく必要があるでしょう。


インターネットバンキング

インターネットバンキングの発達により、銀行に行く機会はますます減ってきています。また、手形や小切手などの現物は管理にリスクが伴うため、使用頻度も少なくなってきています。

会社間の取引もインターネットを使ったやりとりが増えてきていますが、同時にセキュリティ管理に万全を期す必要があるのは当然のことと言えるでしょう。




まとめ

会社の不祥事として、経理担当者が現金を横領したというニュースを聞いたことがあるのではないでしょうか。

会社のコンプライアンスが厳しく言われている中で、預金・現金管理の仕事はとても地味ですが大変重要な仕事です。

毎日の業務を確実に行うからこそ、会社が健全に経営できるということを忘れてはならないでしょう。



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監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。
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