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インボイス制度 いつから始動?いつまでに準備が必要?詳しく解説します!

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インボイス制度とは、軽減税率などで複数の税率がでた際、仕入額を控除するために適格請求書の保存が必要となる制度です。

2016年の税制改正で導入が決定しましたが、いつから実施されるのか、どのような影響があるのかを把握しておく必要があります。

今回の記事では、そんな「インボイス制度」の導入時期や準備すべきことを詳しく解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.インボイス制度の導入は2023年10月から
    1. 1.1.3分でわかるインボイス制度
    2. 1.2.適格請求書等保存方式とは
    3. 1.3.区分記載請求書等保存方式との違い
  2. 2.インボイス制度導入による企業への影響
    1. 2.1.仕入額控除ができない場合がある
    2. 2.2.免税事業者は適格請求書を発行できない
  3. 3.2023年10月までに準備すべきこと
    1. 3.1.課税事業者が準備すべきこと
    2. 3.2.免税事業者が準備すべきこと
  4. 4.まとめ
  5. 5.経理業務でお悩みのときは、グランサーズにご相談ください!

インボイス制度の導入は2023年10月から

インボイス制度は2023年10月1日から実施されます。


3分でわかるインボイス制度


2023年9月30日までは現行の「区分記載請求書等保存方式」が適用されます。

ただし、適格請求書(インボイス)を発行する際、事前に「適格請求書発行事業者」の届出をしなければなりません。

「適格請求書発行事業者」の登録には数日かかるため、2023年10月よりインボイス制度の使用が想定される場合は、今のうちに登録手続きを行いましょう。

なお、「適格請求書発行事業者」の登録期限は2023年3月31日までとなっています。

次の項目では、適格請求書等保存方式(インボイス制度)と現行の区分記載請求書等保存方式との違いを見ていきます。


適格請求書等保存方式とは

適格請求書等保存方式(インボイス制度)とは、以下で解説する「記載義務」を満たした請求書によって消費税を計算・納付する制度です。

現在の消費税は10%ですが、物によっては8%の軽減税率が適用されているため、売り手は買い手に対し商品に適用された税率がどちらなのか伝えなければなりません。

その結果、商品に適用されている税率を請求書で明記する「適格請求書」が採用されました。

この「適格請求書」に基づいて消費税の仕入税額控除を計算し、証拠として保存することを「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」と呼ぶのです。


【適格請求書に明記する記載義務項目】

 1.適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

 2.取引年月日

 3.取引内容(軽減税率の対象品目である旨)

 4.税率ごとに区分して合計した対価の額 (税抜き又は税込み)及び適用税率

 5.税率ごとに区分した消費税額等※

 6.適用税率ごとに区分した合計額


※ 5の「税率ごとに区分した消費税額」の端数処理は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回ずつとなります。

引用元:令和4年2月仙台国税局消費税課|適格請求書等保存方式の概要-インボイス制度の理解のために-

なお、領収書やレシートは、インボイス制度上「適格簡易請求書」扱いとなります。


区分記載請求書等保存方式との違い

区分記載請求書とは、それまでの請求書の記載事項に加え、10%と8%の品目の税込み額を分けて記載した請求書を指します。

この区分記載請求書と適格請求書の違いは、記載項目の数です。区分記載請求書は記載項目が7つ、適格請求書は9つあります。

「インボス制度の登録番号」と「適用税率ごとの消費税額」の有無によって制度が異なる、と覚えておきましょう。

区分記載請求書等保存方式は、適格請求書等保存方式が開始となる2023年10月1日までの経過措置です。

適格請求書等保存方式が採用されると、企業にはどういった影響があるのでしょうか。

次の項目で詳しく解説します。

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インボイス制度導入による企業への影響

インボイス制度の導入により、税額控除ができない、または適格請求書の発行ができない事業者は大きな影響を受けることとなりました。

結論から言うと、2023年10月1日以降は適格請求書を発行できない企業や個人事業主は、契約の解除につながる可能性があります。

具体的にどのような影響があるのか見ていきましょう。


仕入額控除ができない場合がある

制度導入により最も問題となるのが、「適格請求書を発行できない事業者から仕入れる際、仕入額控除ができない」点です。

これまでのケースでは、適格請求書がなくても支払先の名称や請求書のない理由を帳簿に記載すれば仕入額控除を受けられました。

しかし、インボイス制度が正式に導入されると、適格請求書がない場合は仕入額控除が受けられなくなります。

ただし例外もあります。適格請求書を発行できる事業者は、課税事業者として登録されていなければなりません。そのため、2023年3月31日までに登録する必要があるのです。

仕入側としては適格請求書による仕入額控除を受けたい訳なので、発行できない企業や個人事業主は取引がなくなる可能性があります。

ここで注意したいのは、免税事業者として登録している場合は適格請求書を発行できない点です。

課税事業者だけでなく、免税事業者にも影響が出ると覚えておきましょう。


免税事業者は適格請求書を発行できない

フリーランスや個人事業主など、年収1000万円未満の方は免税事業者として登録されているケースが多いと思います。

しかし、免税事業者は適格請求書の発行ができません。よってインボイス制度が導入されると消費税の課税義務が課されることとなります。

したがって免税事業者が取引を継続させるには、「消費税課税事業者選択届」を税務署に届けて課税事業者になる必要が出てきます。

ただ、制度導入から6年間(2029年10月1日まで)は、免税事業者からの課税仕入れも、一定割合を仕入額控除できる経過措置が設けられます。

控除割合は、制度開始3年間は80%、その後3年間は50%です。

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2023年10月までに準備すべきこと

インボイス制度導入までの間に、課税事業者と免税事業者はそれぞれ準備が必要です。

免税事業者はあらかじめ課税事業者から、インボイス制度への対応を求められる可能性もあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

以下でそれぞれ準備する内容を詳しく解説しています。一度目を通しておくのをオススメします。


課税事業者が準備すべきこと

課税事業者が準備すべきことは以下のとおりです。

 1.適格請求書発行事業者の登録申請
 2.取引先が適格請求書発行事業者登録を実施したか確認
 3.適宜税額計算方法の一部変更・経理処理の煩雑化への対応
 4.インボイスの記載要件を満たした請求書の準備
 5.適宜インボイス対応の機材やシステムの導入

まずは自社で適格請求書発行事業者の登録を行います。申請には「適格請求書発行事業者の登録申請書」を作成し、管轄の税務署に提出します。

提出は窓口・郵送・e-Taxの3種類から選べます。手続きしやすい方法を選びましょう。

登録申請書フォーマットはこちら

適格請求書発行事業者登録が終わったら、取引先にも登録の有無を確認します。登録していない場合は2023年3月31日までに手続きする旨を伝えてください。

また、取引先に適格請求書を発行できない免税事業者がいる場合、税額計算方法の一部変更や経理処理の煩雑化が予想されます。

インボイス対応の機材やシステムが必要な会社であれば、かなりの準備期間とコストが必要です。スケジュールに気をつけて準備しましょう。


免税事業者が準備すべきこと

「免税事業者は適格請求書を発行できない」の項目でも解説したとおり、「消費税課税事業者選択届」を税務署に届けて課税事業者になる手続きが必要です。

ただし、2023年3月31日までに適格請求発行事業者の登録申請をする場合は、上記書類の提出は省略できます。

免税事業者から課税事業者に切り替わると、これまで収入としていた消費税を納税する義務が生じます。今のうちから事業基盤を整えておきましょう。

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まとめ

今回は、「インボイス制度」の導入時期や準備すべきことを解説しました。

インボイス制度の導入まで時間がありますが、油断していると各種手続きや準備に追われる羽目になります。

また、適格請求書は発行と保存の両方が義務となります。よって、企業だけでなくフリーランスや個人事業主も準備しなければなりません。

事前にきちんと準備し、来年のスタートに備えましょう。

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監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。
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