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そもそも勤怠管理とは何?勤怠管理の意味とその必要性を解説

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会社が従業員の勤怠や休暇を適切に把握・管理することは、働き方改革の促進や業務効率化、生産性の向上につながります。そもそも、会社や事業所はすべての従業員に対して「就業状況を管理すること」が義務付けられているのです。

そこで今回は、そもそも勤怠管理とはどういうものなのか?どういう意味や必要性があるのか?といった点を紹介したいと思います。従業員の勤怠を管理する立場の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.勤怠管理と就業管理との違い
  2. 2.勤怠管理の必要性
    1. 2.1.過重労働の防止
    2. 2.2.働き方改革
    3. 2.3.正しい給与計算
  3. 3.勤怠管理で管理する内容
    1. 3.1.対象者・対象事業所
    2. 3.2.管理する項目
  4. 4.勤怠管理の方法
    1. 4.1.タイムカード
    2. 4.2.指紋認証・ICカード
    3. 4.3.Excel(エクセル)
    4. 4.4.クラウドサービス
  5. 5.勤怠管理するときの注意点
  6. 6.まとめ
  7. 7.勤怠管理でお悩みのときは、オンラインアシスタントやアウトソーシングの活用も!

勤怠管理と就業管理との違い

「勤怠管理」とは、従業員の出勤、退勤、休憩時間、欠勤・遅刻の状況、休日の取得状況など、日々の労働時間を会社が正確に把握するための仕組みです。

勤怠管理と似た言葉に、「就業管理」というものがあります。就業管理では、従業員が業務を開始する時刻や就業時刻、休憩時間、休暇、休日などを「統一」し、「法律に則したルール」内で管理することです。会社は、従業員の働き方が偏らないよう配慮したり、生産性やパフォーマンスを向上させたりするために、「就業管理」が必要となるのです。


勤怠管理の必要性

過重労働の防止

近年、長時間労働や残業手当の未払いなどが注目されています。そういった悪質な企業は「ブラック企業」と言われて、社会問題となっていますよね。ブラック企業では、適正な労務が行われず、コンプライアンス遵守の精神に反しているとも言えます。

正しい勤怠管理によって労働時間や賃金の支払い状況などの透明性が確保されれば、長時間労働や残業手当の未払い防止につながります。


働き方改革

労働基準法で定められた法定労働時間は「1日8時間、週に40時間」です。さらに2019年の「働き方改革関連法」によって、時間外労働の上限は原則「月45時間・年360時間」までとなりました。それに伴い、生産力向上と働き方の多様化を選択できる社会づくりをめざす、いわゆる「働き方改革」が叫ばれるようになりました。

勤怠管理は、これらの規定が守られているか、適正に賃金が支払われているかを会社が管理し、働き方改革を促す仕組みもなります。


正しい給与計算

「勤怠管理」を行うことで、授業員の労働時間を正しく把握できるようになり、正しい給与計算の算出につながります。正しく給与計算によって「実は給料を支払いすぎていた!」というケースが無くなり、コストカットに役立つことも。もし勤怠管理を行われていないと、残業代の正確な把握ができず、保険料や税金の計算に誤りが生じてしまう恐れがあります。

また、残業代の未払いが発生すると、会社側は従業員とのトラブルが発生してしまうこともあります。正しい給与計算で、クリーンな会社経営を行いましょう。


勤怠管理で管理する内容

対象者・対象事業所

厚生労働省のガイドラインによると、勤怠管理の対象者は、高度プロフェッショナル制度対象者(一定以上の年収要件に達しており、専門的かつ高度な職業能力を有する者)以外のすべての従業員が勤怠管理の対象となるそうです。

2019年の「働き方改革関連法」改正では、これまで対象外だった管理職などの管理監督者もこれに該当するようになりました。また、高度プロフェッショナル制度の対象者も、休日の取得管理は会社側の義務となっています。

また、厚生労働省によると、勤怠管理が必要となる対象事業所の条件は「労働基準法における労働時間の規定が適用される事業所である」こと。業種や業態、規模に関わらず、従業員を雇っているほぼすべての事業所が対象です。なお、農業・水産業など労働時間の規定が適用されない業種や、自然・天候によって勤怠が左右される業種は管理の対象にはならないとのこと。


管理する項目

・出勤日、欠勤日、休日出勤日

1か月単位で従業員の勤務状況を把握します。給与計算にも影響する大切な管理です。また、従業員の健康状態を把握する上で、適切に休日を取得できているか、休日出勤があった場合は代休や振替休日をきちんと取得できているか、などの情報もきちんと確認する必要があります。

・始業・終了時刻、労働時間、休憩時間

1か月単位だけでなく、従業員の1日の労働時間も正確に把握しなければなりません。もし遅刻や早退が多い従業員がいれば、適正な業務指導や部署移動・配置換えをする際の根拠とすることもできます。また、給与の算出のためには、始業・終業について「1分単位」で管理する必要もあります。

・時間外労働時間、深夜労働時間、休日労働時間

「時間外労働」や「深夜残業」、「休日出勤」をした従業員に対して、会社は「割増賃金」を支払う義務があります。また、「法定労働時間」を超過した場合は、その分の労働時間にも賃金を支払う義務が生じます。それぞれ割増率は異なり、「勤怠管理」では、正確な時間の把握・管理が必須となります。

・有休取得日数・残日数

2019年4月には、「年次有給休暇の取得」が義務化されました。従業員に有給休暇を取得させることも、使用者として会社が負っている義務になったのです。従業員がきちんと有休を取得できているかを把握するためにも、勤怠管理をしっかり行いましょう。

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勤怠管理の方法

タイムカード

タイムレコーダーに打刻シートを挿入して、出社時・退社時の時刻を打刻する方法です。タイムレコーダーにカードを挿入するだけなので操作は簡単。低コストで導入できる点もメリットです。

ただし、社外での作業ややテレワーク勤務の場合はリアルタイムでの打刻ができません。また、は集計作業が別途必要になるというデメリットもあります。


指紋認証・ICカード

ICカードや指紋認証を用いた勤怠管理は、本人確認のセキュリティレベルが高く、不正打刻の防止にもつながるでしょう。正確な勤務時間を打刻できるので、適正な労働時間管理に適していると言えます。

しかし、直行や直帰の際は本人が打刻できません。会社に戻るか、あとで処理を行う必要があります。専用の打刻機を導入するコストや設置場所を考慮する必要もあるでしょう。


Excel(エクセル)

Excelのソフトを使って勤怠を管理することも可能です。セルに簡単な数式を設定するだけで始められるので、取り組むハードルが低くて管理も簡単です。特別なシステムを導入する必要もありません。

一方で、入力操作は各従業員が行うので、入力ミスや不正申告を防ぎにくいと言えます。客観的な情報を得られない点には、注意が必要です。


クラウドサービス

クラウド上で従業員の勤怠データを管理するシステムです。クラウド上での管理により、場所や働き方に関係なく勤怠を把握できるのが利点と言えます。スマートフォンやICカード、PCなど、さまざまなデバイスで打刻できることも魅力です。

ただし、コストが嵩んでしまう可能性があります。自社の規模やワークスタイルに適したシステムの導入を検討するようにしましょう。


勤怠管理するときの注意点

新型コロナウイルスの感染拡大によって、テレワークを導入する企業が急増しました。テレワーク下では、従業員の勤務状況を直接的に把握しにくいのが現状です。そのため、社内ルールを徹底するなどの対策が必要です。

テレワーク中の勤怠管理方法は、基本的に「自己申告制」になります。自己申告制を採用する場合は、適正に記録することを従業員に周知・指導し、必要に応じて実態調査を行う必要もあるでしょう。


まとめ

今回は、勤怠管理の意味や必要性などを紹介しました。

従業員の勤務を正しく管理できるかは、会社を経営する上で重要な要素です。「働き方改革」をきっかけに勤怠管理を重要視する会社は増えています。正しく勤怠管理を行って、管理者も従業員も働きやすい職場づくりを目指しましょう。

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監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。
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