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消耗品と備品の違いは?それぞれの特徴と合わせてわかりやすく解説

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経理担当者にとって、消耗品と備品の会計処理で迷うことが多いのではないでしょうか。

消耗品は損益計算書上で「消耗品費」として経費項目になり、備品は貸借対照表上で「工具・器具・備品」としての資産項目になります。それぞれの意味をきちんと区別して理解していないと、誤った会計処理をしてしまうかもしれません。

本記事では消耗品と備品の違いや特徴について詳しく解説していきますので、きちんと理解して正しい会計処理ができるようにしていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.消耗品と備品の意味を解説
    1. 1.1.消耗品とは
    2. 1.2.備品とは
    3. 1.3.一括償却資産とは
    4. 1.4.少額減価償却資産とは
    5. 1.5.消耗品・一括償却資産・少額減価償却資産の違い
  2. 2.消耗品と似ている科目との違い
    1. 2.1.事務用品費とは
    2. 2.2.雑費とは
  3. 3.消耗品と備品の仕訳例
    1. 3.1.消耗品の仕訳例
    2. 3.2.備品の仕訳例
  4. 4.まとめ
  5. 5.経理業務でお悩みのときは、グランサーズにご相談ください!

消耗品と備品の意味を解説

はじめに消耗品と備品の違いについて詳しく解説します。違いが理解できれば正しい判断基準を持つことができます。


消耗品とは

国税庁のサイトによれば、消耗品費は以下のように定義されています。

・帳簿、文房具、用紙、包装紙、ガソリンなどの消耗品購入費

・使用可能期間が1年未満か取得価額が10万円未満の什器備品の購入費

参照:国税庁 確定申告書等作成コーナー|消耗品費

「取得価格の10万円未満」については税込金額なのか税抜金額なのかは迷うところですが、会社が採用している会計方式によって判断します。

上記を踏まえると、つぎのようなものが消耗品の例になります。

事務用品

文房具、コピー用紙、封筒、印鑑、インク、トナー

パソコン周辺機器

パソコン周辺機器
キーボード、マウス、ソフトウェア、USB、ケーブル
什器
机、椅子、ロッカー、書棚、ホワイトボード、電話
日用品
ゴミ袋、洗剤、蛍光灯、タオル、乾電池、観葉植物
その他
ガソリン、灯油、切手、収入印紙、クリーニング代


備品とは

備品は消耗品費に該当することができないものとなるため、以下のように定義できます。
「使用可能期間が1年以上のもので取得価額が10万円以上の什器備品」

備品勘定で購入したものは貸借対照表の固定資産に計上され、耐用年数に応じて減価償却をするのが正しい会計処理です。

減価償却額は備品の内容によって耐用年数が変わってきます。以下は国税庁のサイトに掲載されている耐用年数表の例です。

事務机、事務いす、キャビネット

主として金属製のもの
 15年
その他のもの
 8年
応接セット

接客業用のもの
 5年
その他のもの
 8年
陳列棚、陳列ケース

冷凍機付・冷蔵機付のもの
 6年
その他のもの
 8年

参照:国税庁 確定申告書等作成コーナー|耐用年数(器具・備品)(その1)

以上のように備品の内容によって耐用年数が定められているため、正しい減価償却費を計算するように注意が必要です。

備品は会社の資産となるため、一つひとつの資産ごとに台帳を作成して管理しなければなりません。この点が消耗品費と備品とで大きく違うところです。


一括償却資産とは

一括償却資産とは、備品に計上する資産のうち20万円未満の場合に選択適用できる制度のことを言います。一括償却資産は、通常の耐用年数に応じた減価償却ではなく一律に全て3年間で均等償却できる特例です。

10万円以上20万円未満の備品を購入したときに一括償却資産として計上すれば、通常の耐用年数よりも短く3年間で償却できるというメリットがあります。


少額減価償却資産とは

少額減価償却資産とは、備品に計上する資産のうち30万円未満なら全額を一括償却できる制度のことを言います。ただしこの制度は、一定の要件に該当する中小企業のみに適用できる特例です。

一括償却資産の場合は、20万円未満までの備品について3年間の均等償却でしたが、この特例は1年間に全額償却できるものです。

少額減価償却資産の特例を適用できる企業は、青色申告で資本金が1億円以下の中小企業に限られます。また、全額償却することができるのは年間300万円の上限があります。


消耗品・一括償却資産・少額減価償却資産の違い

「消耗品」「一括償却資産」「少額減価償却資産」の違いをまとめると以下のとおりです。


  消耗品
一括償却資産
少額減価償却資産
対象となる金額

10万円未満  

10万円以上20万円未満
10万円以上30万円未満
適用できる法人
全法人
全法人
青色申告法人である中小企業
年度ごとの上限
なし
なし
300万円まで
損金処理
全額
3年間均等償却
全額

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消耗品と似ている科目との違い

消耗品と似ている科目に「事務用品費」と「雑費」があります。それぞれの科目について消耗品との違いを解説します。


事務用品費とは

事務用品費は消耗品に計上するもののうち、文房具などの事務関係のものを購入した時に使用する科目です。

事務用品は取り扱う量が多くなるため、消耗品の中から独立して科目を設けることで、管理をしやすくすることができます。

事務用品費ではなく消耗品で処理した方が望ましいのであれば消耗品でも問題ないですが、大切なのは会社で定めたルールに従って計上することです。


雑費とは

雑費とは、どの勘定科目にも属さないものを処理する科目です。少額な物品や一時的にしか発生しないものを購入したときなどに使用します。

消耗品と雑費の区別についても会社で定めたルールに従って計上します。

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消耗品と備品の仕訳例

ここからは消耗品と備品の会計処理について、具体例を用いて解説します。


消耗品の仕訳例

例①:1台8万円のパソコンを1台購入した。

借方
借方金額
 貸方 
貸方金額
消耗品費
80,000円
 現金 
80,000円


例②:1台8万円のパソコンを2台購入した。

借方
借方金額
 貸方 
貸方金額
消耗品費
160,000円
 現金 
160,000円

パソコン2台購入すると金額は16万円になりますが、取得価額10万円未満の判断は物品1個(台)当たりの金額になります。そのため、パソコンを複数台購入する場合は、1台当たりの金額で判断するため消耗品費に計上します。

なお、パソコンによっては周辺機器を購入しなければパソコン本体が機能しないものもあります。そのようなケースの場合は、周辺機器も含めた合算額で判断します。


備品の仕訳例

例③:1台12万円のパソコンを1台購入した。(パソコンの耐用年数4年)

借方
借方金額
貸方
貸方金額
備品
120,000円
現金
120,000円


決算時(直接法)

借方
借方金額
貸方
貸方金額
減価償却費
30,000円
備品
30,000円

備品は、取得価額の12万円を耐用年数の4年で割ると年度ごとの減価償却費は3万円になります。直接法は備品から減価償却費を直接差し引きます。


決算時(間接法)

借方
借方金額
貸方
貸方金額
減価償却費
30,000円
減価償却累計額
30,000円

間接法は減価償却費累計額を計上します。

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まとめ

本記事では、経理担当者がよく迷う項目の一つである消耗品と備品について、会計処理の違いや仕訳の例、減価償却の方法などについて解説しました。

減価償却が関係してくる場合には、どのような償却方法を選択するかによって税金の面も変わってくる可能性があります。

消耗品と備品の線引きは難しいケースが多いですが、それぞれの定義と会計処理の違いをきちんと理解できれば、経理初心者でも業務が進めやすくなるでしょう。

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監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。
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