【2023年版】ベンチャー向けの補助金とは?種類やもらえる条件など詳しく解説!
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企業経営において、「ヒト」「モノ」「カネ」これらの資源は不可欠ですが、特に「カネ」については、新製品・新サービス開発、プロモーション、採用、人材育成など全ての企業活動に必要です。
ベンチャー企業では、これらの資源が大企業と比較して十分ではないことがほとんどで、出来るだけ費用を抑えたうえで収益拡大のためのチャレンジをする必要があります。
そこで国や地方自治体などは、前向きにチャレンジする会社を支援するために多様な補助金制度を用意しています。
今回は、国が実施主体となっている補助金を紹介し、さらに地方自治体の補助金についてはその相談先を解説します。
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ベンチャー企業のために国が支援制度を整えている補助金
ベンチャー企業の生産性の向上や販路の拡大のために、経済産業省や中小企業庁がいくつもの補助金制度を整えています。それらの制度の対象となる事業者、補助金額などについて解説します。
ベンチャー向け補助金① 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が行う地道な販路開拓や生産性向上の取組みに要する経費の一部を支援する制度です。
※2022年10月4日時点で、2021年12月9日締切の第10回受付分まで実施が決定しています。詳細は小規模事業者持続化補助金公式サイトでご確認ください。
対象となる事業者
常時使用する従業員が20人(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は5人)以下の法人・個人事業主の方です。
これに該当しない事業者は、小規模事業者とみなされず、この補助金制度の対象外となってしまいます。
補助金額
補助金額は最大で50万円。
補助率は補助対象経費の3分の2です。
つまり、75万円以上の補助対象となる経費支出をした際に最大の補助金額が適用されることになります。
補助対象となる支出例
自社オリジナル製品を販売するための自社HPやECサイトの構築費や、認知度向上を狙った動画配信用の機材などが補助対象になります。
その他、専門家への謝金や販路拡大の為に必要な出張費なども補助対象です。
なお、自社HPやECサイトの構築、更新、改修、運用に係るウェブサイト関連費についての補助金額は、補助金総額の4分の1までと定められている点にご留意下さい。
この補助金の特徴
小規模事業者持続化補助金は、他の補助金制度と比較して、補助対象になる費目が多いのが特徴です。
また、この補助金制度はベンチャー企業のように創業間もない事業者を重点的に支援するという観点で設置された補助金です。
「創業から3年以内であること」「自治体等による一定の創業支援を受けていること」等を満たすと「創業枠」で申請する事が可能となり、この場合は補助上限額が200万円に引き上がります。
ベンチャー向け補助金② IT導入補助金(通常枠)
IT導入補助金(通常枠)は、日々の業務の効率化や、自働化のためのITツールの導入をサポートするための補助金制度です。ベンチャー企業では人的資源が十分でない場合が多くあります。業務の効率化、自働化のために積極的に利用したい制度になります。
※2022年10月4日時点で、2022年11月末締切の第8次締切分まで実施が決定しています。詳細はIT導入補助金2022公式サイトでご確認ください。
対象となる事業者
中小企業や個人事業主がこの補助対象になります。
また、医療法人、学校法人、財団法人、特定非営利団体もこの補助対象になります。
補助金額
補助金額は30万円~450万円です。
また、補助率は2分の1以内となります。
つまり、900万円以上の対象経費の支出があった際に、最大補助金額450万円の対象になることがあります。
補助対象となる支出例
3次元CADシステム、RPAツール、販売管理システム、クラウド型電子カルテシステムなどの生産性向上、効率化のための支援ツールがこの補助金制度によってこれまでに導入されています。
この補助金の特徴
この補助金は、事業者がそれぞれ抱える悩みや課題に即したITツールを導入することで、業務効率化や売上アップさせることを目的に制度設計されています。
補助を受けたい事業者は、ITベンダーやサービス事業者などの、「IT導入支援事業者」と連携しながら補助事業を実施することが必要になります。
ベンチャー向け補助金③ 特許を取得する際の費用の軽減
特許庁は、特許の取得や維持にかかる費用を補助する制度を設けています。その中でも、ベンチャー企業に対してとても手厚い補助制度が用意されています。特許は自社の強みを守るのに非常に有効な武器です。この制度の内容は抑えておきましょう。
当補助制度はベンチャー企業以外も対象ですが、当記事ではベンチャー企業に対しての補助制度を解説します。
※2022年10月4日調査。詳細は特許庁公式サイトでご確認ください。
対象となる事業者
中小ベンチャー企業(法人・個人事業主)です。
個人事業主の場合は、事業開始後10年未満であることが条件です。
法人の場合は、
・設立後10年未満で資本金額又は出資総額が3億円以下の法人であること
・大企業(資本金額又は出資総額が3億円以下の法人以外の法人)に支配されていないこと
これら2つのポイントをどちらも満たしていることが条件です。
補助金額
審査請求料が3分の1に軽減されます。さらに、第1年分から第10年分の特許料が3分の1に軽減されます。
この補助金の特徴
ベンチャー企業に限らず、中小企業や個人事業主がこの制度の対象になっています。しかし、一般の中小企業や個人事業主の補助率は2分の1であるため、中小ベンチャー企業(法人・個人事業主)は更に優遇された補助率が設定されています。
数年前と比較して、現在はこの減免制度の申請が簡素になったため、ベンチャー企業にとって特許申請がしやすい環境が整っています。
ベンチャー向けに地方自治体が用意する補助金の相談先
国の支援制度の他にも、地方自治体がベンチャー向けに整備した補助金制度も存在します。そのような制度について相談ができる支援機関を紹介します。
中小企業基盤整備機構
中小企業基盤整備機構は、中小企業者やその他の事業者の事業活動に必要な助言や研修をしている独立行政法人です。
中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J-Net21」では、募集対象地域や、分野から自社の環境に合った補助金や助成金を検索出来るシステムがあります。
国の補助金に該当しなくても、地方自治体の制度には適合することもあり得ますのでこちらを有効活用しましょう。
よろず支援拠点
よろず支援拠点は、国が設置した経営相談所で、各都道府県に設置されています。
中小企業や小規模事業者、ベンチャー企業の「起業」「安定」「成長」の各段階の経営課題や支援ニーズに対応する支援機関です。
経営に関するあらゆる相談に無料で対応しているので、補助金に関する相談も当然受け付けています。
ベンチャー向け補助金を申請する前に考えておきたいポイント
補助金の財源は税金です。申請をすれば誰でももらえるような簡単な仕組みではなく、かなり細かくルールが設定されており、ハードルは低くないと考えましょう。
最後に補助金において抑えておきたいポイントを2つ解説します。
補助金交付までの各段階で明確に期限が決まっている
ほとんどの補助金は下記の流れで進みます。
1.申請
2.交付審査
3.交付決定
4.補助事業期間
5.実績報告
6.補助金精算
特に気を付けたいのが「4.補助事業期間」です。補助事業はその期間が決められています。つまり、決められた期間内に、サービスや製品の発注や支払・納品を完了する必要があります。
「申請時点では補助対象経費と認められていて発注も完了したのに、支払いが期限内に完了せずに補助金交付を諦めた」という非常にもったいないケースが発生してしまうこともあります。
公募要領を熟読し、このようなトラブルが発生しないように気を付けましょう。
実費負担が発生する
補助金が出ると聞くと、支出したかった製品やサービスを無料で手に入れることができると考える人が少なからず存在します。
補助金はあくまで事業者の「補助」が目的であるため、支出がゼロということはありません。
また、補助金が交付されるのは、支出が完了して実績報告が終了したその後になるので、立替期間が発生します。補助金の交付が多少遅れても資金繰りに問題が無いことを確認してから補助金の利用を進めましょう。
まとめ
今回はベンチャー向け補助金について解説しました。
補助金をうまく活用することが出来れば、最小限の支出で自社の生産性向上や売上アップを図ることが出来ます。自社に必要な支出が何なのか吟味し、それを支援する補助金制度がどういったルールで運用されているのか、調査したうえで利用することを検討しましょう。
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