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赤字決算の場合は法人税を支払わなくていい?

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企業経営をしていると、黒字の時ばかりではなく業績が悪く赤字の時もあります。特に近年は新型コロナウイルス感染症の影響で、予想外の赤字になってしまった企業も多いのではないでしょうか。赤字になるとそれだけでも資金繰りも苦しくなります。加えて税金などの支払があれば負担が大きくなるので、なるべく税金を払いたくないと思うのが普通でしょう。

この記事では、赤字決算の場合、法人税を支払う必要があるのか、また支払うべき税金はあるのか、赤字決算で気をつけるべき点などを説明します。

目次[非表示]

  1. 1.決算と法人税
  2. 2.赤字決算時の法人税
    1. 2.1.赤字の場合、法人税は発生しない
    2. 2.2.欠損金は繰越可能
    3. 2.3.欠損金の繰戻しによる還付
    4. 2.4.赤字にするデメリット​​​​​​​
  3. 3.赤字でも発生する税金
    1. 3.1.消費税の納税
    2. 3.2.法人住民税の均等割り
    3. 3.3.一部の法人事業税
    4. 3.4.企業会計と税務の計算方法の違いにより発生する法人税
    5. 3.5.中間納付による納税
  4. 4.赤字決算時の対応
    1. 4.1.必ず確定申告は行い適切な税務処理を行う
    2. 4.2.粉飾決算は絶対にしてはいけない
  5. 5.経理・決算処理は「SUPPORT+iA(サポーティア)」に


決算と法人税

決算と法人税

法人税とは、法人が稼いだ1年間の所得に対してかかる税金です。決算月は会社によって異なりますが、例えば3月決算の会社なら、4月1日から翌年3月31日の1年間です。

法人税を計算するためには、企業会計と税務会計の違いを認識する必要があります。企業会計上の利益が【収入-費用】で求めるのに対し、法人税を計算するために使う所得は【益金−損金】で計算します。企業会計では費用に含まれても、法人税の計算では損金に計上できない項目があるからです。

決算では、会計上の収益や費用に、法人税法上の税務調整(損金算入・損金不算入)を行った上で法人税の課税所得が決定します。

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赤字決算時の法人税

赤字決算時の法人税

赤字になってしまった時の法人税の取り扱いはどうなるのかを説明します。


赤字の場合、法人税は発生しない

赤字決算の場合、法人税は発生しません。ただし、上述した通り益金・損金の調整において、企業会計上では赤字でも損金として認められない費用もあります。会計上では赤字でも、課税所得がある状態(税務会計上は黒字)なら法人税が発生しますので理解しておく必要があります。

例えば、交際費は企業会計上の費用として認められますが、法人税上では原則損金と認められません。そのため、企業会計上では交際費を計上して黒字でも、法人税の計算で交際費が損金算入できず課税所得が黒字になれば法人税がかかるのです。


欠損金は繰越可能

青色申告で確定申告をした決算年度が赤字の場合、欠損金は10年間繰越できます。繰り越しするためには、10年以内に開始した事業年度の欠損金であることや欠損金額が発生した年度後も連続して確定申告書を提出することが条件になります。

なお、欠損金が発生した事業年度に青色申告書で確定申告していれば、その後の事業年度は白色申告で確定申告をしていても、繰越控除の規定が適用されます。


欠損金の繰戻しによる還付

赤字になってしまった場合、前期及び当期に連続して青色申告をしていれば「欠損金の繰戻しによる還付制度」を利用できます。

例えば、資本金が1億円以下の法人(資本金5億円以上の法人100%子会社などを除く)が赤字になった場合、前期が黒字で法人税を納めているのであれば、前期支払った法人税を還付してもらえます。

還付金額の計算式は下記の通りです。

還付金額 = 前期法人税額 ×(当期欠損金額/前期所得金額)


赤字にするデメリット​​​​​​​

「赤字になれば税金もかからない、繰越ができるなら赤字になってもいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、赤字になれば自己資本として蓄積される利益余剰金を残せなくなります。特に中小企業は自己資本比率が高いほど健全な企業運営ができるため、なるべく資産を残す努力をするべきといえます。

また、金融機関も赤字決算の会社に対する融資に慎重になります。融資を受けられなければ、効果的な投資ができず、事業を存続・拡大することができなくなる可能性もあります。金融機関からの見られ方も意識するべきといえます。

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赤字でも発生する税金

副業で確定申告が必要な場合

ここまでの説明で「赤字なら税金は不要」と思われるかもしれませんが、決算でも申告・納税義務のある税金も発生するので注意が必要です。


消費税の納税

法人は、法人税だけではなくさまざまな税金が課税されます。例えば、法人の消費税の納付はあくまで消費者の代行なので、赤字でも関係なく納付が必要です。

ただし、消費税は「免税事業者」となれば納税の義務はなくなります。具体的には、年商1,000万円以下の法人は免税事業者となり消費税の納税をする必要はありません。


法人住民税の均等割り

赤字関係なく法人住民税の支払いも必要です。

法人住民税は、法人税割と均等割で構成されています。法人税割の計算式は【法人税 × 市町村民税の税率 + 法人税 × 道府民税の税率】です。法人税割については、赤字の場合は法人税が発生しないので支払いはありませんが、均等割りの部分については赤字関係なく発生します。均等割りの部分は法人の規模によって課されるからです。

均等割りの金額は、各自治体、会社の規模(資本金の額・従業員の人数)により異なりますので、税金を納める自治体のホームページでご確認ください。


一部の法人事業税

法人事業税は、【所得×法人事業税割合】で算出します。そのため、赤字の場合には発生しませんが、資本金が1億円を超える法人は「外形標準課税法人」となり「付加価値割」「資本割」が課税されるため、赤字であったとしても法人事業税の支払いが必要になるケースもあります。


企業会計と税務の計算方法の違いにより発生する法人税

企業会計上の利益は、【収入-費用】で計算します。一方、法人税を計算する所得の求め方は【益金−損金】です。会計上では費用の扱いになるのにも関わらず、税務上の計算では損金にならないことを「損金不算入」といいます。

企業会計では費用に含まれて赤字になったとしても、法人税の計算で損金として扱えず所得が黒字となれば法人税が発生します。損益不算入になる項目としては、役員報酬・交際費・寄付金などがありますので注意しましょう。


中間納付による納税

法人税は中間納付が必要です。予定申告による中間納付は前期基準額(前期法人税の約半分)を支払います。前期基準額の計算式は下記の通りです。

前期基準額 = 前事業年度の確定法人税額 / 前事業年度の月数×6カ月

前期が黒字で予定申告による中間納付をする場合、今期が赤字でも法人税の支払いが必要です。ただし、中間納税で払いすぎた法人税は確定申告時に還付金として戻ってきます。

また、事業年度開始から6か月たった時点で仮決算を行うことで中間納付も可能です。この方法は、赤字により前期法人税の約半分を支払うのが難しい場合に有効です。

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赤字決算時の対応

赤字決算時の対応

最後に赤字決算時の対応について説明します。


必ず確定申告は行い適切な税務処理を行う

赤字になると、法人税の納付が必要ないので「確定申告は不要」と思われるかもしれませんが、欠損金の繰越控除を利用したい場合には、青色申告で確定申告を必ず行うようにしましょう。欠損金の繰越をすれば、翌期以降黒字転換したとしても、欠損金の範囲内であれば法人税の納税が免除されます。


粉飾決算は絶対にしてはいけない

決算が赤字になると、銀行からの評価が気になり、なんとか黒字に見せようと考えることもあるでしょう。虚偽の決算報告をすると、「粉飾決算」になります。過去には、東芝やオリンパスのような大企業でさえも粉飾決算を行っています。粉飾決算にはデメリットしかありません。違法行為として罰せられるだけではなく、社会的信用をなくし、経営どころではなくなってしまいます。そのため、赤字を隠したくても粉飾決算だけはしないようにしましょう。

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経理・決算処理は「SUPPORT+iA(サポーティア)」に

経理・決算処理は「SUPPORT+iA(サポーティア)」に

赤字決算なら法人税もかかりませんが、適切な税務処理を行えば、メリットにつながる場合もあります。

また、赤字になれば税金の負担がなくなるため、「赤字でも問題ない」と考える方もいるかもしれませんが、金融機関からの評価が落ちて融資を受けられないリスクがあります。そのため、基本的には黒字を目指すのが企業運営として健全です。

普段の経理や決算処理に手間がかかっているという場合には、オンラインアシスタント・秘書サービスの『SUPPORT+iA(サポーティア)』​​​​​​​がおすすめです。赤字決算でも適切な税務処理を行えばさまざまなメリットにつながる場合があります。ぜひ、『SUPPORT+iA(サポーティア)』のバックオフィス機能をご活用ください。

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監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。
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