個人の海外送金に限度額はある?送金時に押さえたいポイントも解説
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金融機関で行う送金には、一般的に限度額が設定されています。個人と法人のほか、国内送金と海外送金によっても上限額が異なるケースが多くみられます。
上限額を認識せずにいると、想定していた額の送金ができずトラブルにつながる恐れが大きいです。そのため送金を行う際は、事前に限度額の確認が必要不可欠です。
本記事では個人の海外送金における限度額について解説します。
※送金方法には「銀行振込」「現金書留」「為替手形の使用」などいくつかの種類が存在しますが、本記事では「銀行振込」のみを扱います。
目次[非表示]
- 1. 個人の海外送金の限度額
- 2.個人の海外送金の限度額に関する注意点
- 3.まとめ
個人の海外送金の限度額
ほとんどの金融機関において、海外送金には限度額が設定されています。個人と法人の場合で限度額が異なるケースが多いため、個人の海外送金における限度額の確認が必要です。
今回は例として、銀行6行における個人の海外送金限度額を紹介します。
三井住友銀行
三井住友銀行の海外送金サービスの限度額は以下のとおりです。
- 1日あたり:300万円
- 1ヶ月あたり:500万円
申し込み受付時点のレートで換算した円貨相当額が限度額範囲内であるかを考えます。
円預金口座から出金して外貨建てで送金をする場合、受付時点のTTSレート(円貨から外貨に換算する際に用いるレート)で円貨相当額を計算します。一方で外貨預金口座から送金する場合に用いるのは、TTBレート(外貨から円貨に換算する際に用いるレート)で計算した円貨相当額です。
1ヶ月あたりの海外送金額は、月初1日〜月末の累計で考えます。1日あたりの限度額を超えていなくても、1ヶ月あたりの限度額を超えてしまう場合は送金できません。たとえば10月1日に300万円の海外送金をしており、10月20日に再び300万円の海外送金を行うことは不可能です。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行の海外送金限度額は、実施する方法によって異なります。
個人のみが利用できる三菱UFJダイレクトの場合、送金限度額は以下のとおりです。
- 1回あたり:100万円未満
- 1日あたり:200万円以下
- 1ヶ月あたり:500万円以下
個人および法人が利用できるテレビ窓口の場合、1回あたりの送金限度額は500万円以下です。外国送金取扱店の窓口での海外送金には、上限額の定めがありません。
いずれの金額も、受付時点の為替レートを用いて換算した円貨相当額によって判断されます。
みずほ銀行
みずほ銀行の場合、ネットバンキングサービス(みずほダイレクト)での海外送金はできません。海外送金サービスを取り扱う店頭窓口での手続きが必要です。インターネット支店でも海外送金サービスを利用できないためご注意ください。
窓口における送金限度額は特に設定されていません。ただし、送金目的や原資を確認できるような書類の用意が必要です。
なおみずほe-ビジネスサイトを通せばWeb上で海外送金依頼ができますが、こちらは法人を対象としています。
りそな銀行
りそな銀行はアプリと店頭での海外送金限度額に相違があります。
アプリを利用した場合の海外送金限度額は以下のとおりです。
- 1ヶ月あたり:50万円 ※1ヶ月あたり9回まで
- 1年あたり:150万円
店頭の場合、金額および送金回数ともに上限はありません。
楽天銀行
ネット銀行である楽天銀行は、海外送金の手続きもすべてネットで完結します。送金限度額は以下のとおりです。
- 1回あたり:100万円
- 1日あたり:100万円
- 1ヶ月あたり:200万円
- 1年あたり:500万円
対象期間の海外送金累計額が上限を超える場合、受付されないためご注意ください。
なお初回送金時に、受取人(送金先)に関する情報の登録が必要です。申込後に送金内容確認などの連絡がくるケースがあり、その際は対応が求められます。
ソニー銀行
ソニー銀行もネット銀行のため、実店舗は存在せず、海外送金の手続きもWeb上で完結します。
ソニー銀行はこれまでに紹介したほかの金融機関と違い、海外送金の限度額について明記がありません。ソニー銀行の海外送金を利用するには、送金先情報や送金限度額などの事前申請が必要です。登録時にご自身で設定した金額が上限となります。
なお送金限度額の見直しや修正を依頼されるケースや、限度額の範囲内でも送金依頼の受付を断られるケースも有り得ます。詳しい内容についてはソニー銀行へご確認ください。
個人の海外送金の限度額に関する注意点
個人の海外送金の限度額に関する注意点として、以下の3つが挙げられます。
- 必ず利用する金融機関の情報を確認する
- 送金先の国によってルールが違う可能性アリ
- 海外送金を受け取る際も金額によっては注意が必要
注意点についてそれぞれ詳しく解説します。
必ず利用する金融機関の情報を確認する
海外送金の基本的な流れ自体について、どの金融機関でも大きな違いはありません。しかし、これまで紹介してきたように、送金限度額や回数は金融機関ごとに異なります。そのため海外送金を行う際は、利用する金融機関の情報を確認する必要があります。
別の金融機関で海外送金の限度額を確認した場合、認識に誤りが生じる恐れが大きいです。想定していた送金ができず、思わぬトラブルにつながってしまいます。
海外送金は限度額に限らず、手数料や細かなルールなど、金融機関ごとに相違がみられるポイントが多いです。スムーズな海外送金を実現できるよう、利用する金融機関ごとに、海外送金の案内などの情報をしっかり確認しましょう。
送金先の国によってルールが違う可能性アリ
海外送金の送金回数や限度額などのルールは、利用する金融機関だけでなく、国や地域によっても異なる可能性があります。そのため海外送金を実施する前に、送金先の情報もチェックすると安心です。
たとえばSBIレミットの公式サイトで公表されている情報は、同じ銀行口座受取でも、ベトナムは送金上限額が100万円、ブラジルは2,900USD相当の円貨額と異なります。
ほかの金融機関においても、海外送金の上限額は国・地域によって異なると注意書きが多くみられます。また世界情勢などによって送金回数・限度額が変動するケースもゼロではありません。
一言で海外送金といっても、状況によって限度額が異なるケースがあります。海外送金を行う際は、金融機関の案内や送金先に関する情報を確認しましょう。
海外送金を受け取る際も金額によっては注意が必要
これまでにご案内した情報は、ご自身が海外の口座に向けて送金する場合の内容です。海外の口座からご自身の日本口座に送金される、すなわち送金を受ける場合のルールとは異なります。
原則として、海外送金の受け取り金額に法的な上限はありません。そのため海外送金の受け取り限度額は特に設定していない金融機関が多くみられます。事前に金融機関の案内を確認するべきではありますが、受け取りにおける上限額の心配はほとんど必要ないといえるでしょう。
ただし3,000万円相当額を超える海外送金を受け取った場合、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づいて「支払又は支払の受領に関する報告書」の提出が必要です。日本銀行の公式ホームページから該当書式をダウンロードして記入し、送金を受けた口座の金融機関に提出します。
提出期限は取引実行日から10日以内、オンライン報告の場合は取引実行日から20日以内です。記入の手引が日本銀行の公式ホームページに載っているため、そちらを確認しながら正しく作成しましょう。
まとめ
海外送金の限度額は、個人と法人、利用する金融機関などによって異なります。送金先の国や地域、世界情勢によって左右されるケースもあるため、取引の前に必ず正確な情報を確認すると安心です。
なお海外送金は限度額以外にも、必要書類や手続きの流れなど、さまざまな注意点が存在します。スムーズな取引を実現できるよう、海外送金について事前にしっかりと押さえましょう。
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