クラウドソーシングで業務委託を行う方法、メリット・デメリット・注意点まとめ
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クラウドソーシングによる業務委託は、自社の業務に適したスキル・経験を持った人材を探すうえで、インターネットを通じて幅広くアプローチできるのがメリットです。しかし、基本的には非対面型で受発注を行うこととなるため、初めて活用する際にはさまざまな不安を感じてしまう場面もあるでしょう。
今回はクラウドソーシングで業務委託を行う方法や活用するメリット・デメリット、トラブルを避けるために押さえておきたい注意点を解説します。
目次[非表示]
- 1.クラウドソーシングとは?
- 1.1.雇用契約と業務委託契約の違い
- 2.クラウドで業務委託を行う方法
- 2.1.クラウドソーシングのプラットフォームを利用する
- 2.2.自社のWebサイトを活用する
- 2.3.SNSを活用する
- 3.クラウドで業務委託を行うメリット
- 3.1.専門性・実績のある人材に依頼できる
- 3.2.必要なときだけすぐに依頼できる
- 3.3.コストを抑えられる
- 4.クラウドで業務委託を行う注意点
- 4.1.信頼できる人材の見極めが難しい
- 4.2.業務委託契約書の重要性
- 4.3.必要に応じて秘密保持契約を交わす
- 4.4.社内に人材やノウハウが蓄積できない
- 4.5.サポート体制の不安
- 5.企業への業務委託のほうが良いケースも
- 6.外注管理はオンラインアシスタント・秘書サービスを活用してみよう
クラウドソーシングとは?
クラウドソーシングとは、群衆を意味する「クラウド」と、調達を意味する「ソーシング」から成り立った造語です。クラウドという言葉が示すように、不特定多数に対して業務を外部委託(アウトソーシング)するという意味合いがあり、発注者はインターネットなどを通じて広く受注者を募ります。
すると、受注側は収入などの条件や業務内容、必要な技能などを考慮したうえで、受注したい業務に応募します。その後、細かな条件などをすり合わせたうえで、具体的な発注へと進んでいくのが一般的な流れです。
業務の確認や成果のやりとりといった連絡は基本的にインターネットを通じて行われるため、発注者と受注者が顔を合わせないケースも少なくはありません。非対面で仕事を進められることから、受注者からすれば、働く時間や場所にとらわれずにスキルを発揮できるのがメリットとなります。
雇用契約と業務委託契約の違い
クラウドソーシングの契約方法は、原則として「業務委託契約」となります。一般的な従業員を雇う際に結ばれる「雇用契約」とは仕組みが異なるので、両者の違いについて正しく理解しておくことが大切です。
雇用契約とは、当事者の一方(労働者)が相手方(雇用者)に対して労働に従事することを約束し、相手方がそれに対して報酬を与えることを約束する契約方法です。雇用契約を結んだ労働者は、雇用主からの指示や命令にある程度の拘束される代わりに、各種保険の加入や有給休暇の取得、一方的な解雇の禁止といった法的な保護を受けられるのが特徴です。
それに対して、業務委託契約とは他社やフリーランスなどの個人事業主に業務の一部を任せる契約を指します。業務委託契約は2つの独立した事業者間同士の契約であり、仕事を請け負った側は労働基準法などによる保護を受けることはできません。
その代わりに、業務を請け負うかどうかの自由、勤務場所・勤務時間などの自由が保障され、就業規定や服務規律を適用されることもありません。また、雇用契約では「働いた」という事実そのものに対して報酬が発生するのに対し、業務委託契約は仕事の成果に対して発生する点にも違いがあります。
クラウドで業務委託を行う方法
クラウドソーシングで業務委託を行う方法には、大きく分けて3種類あります。ここでは、具体的な発注方法について見ていきましょう。
クラウドソーシングのプラットフォームを利用する
代表的な方法としては、「ランサーズ」や「クラウドワークス」といったクラウドソーシングのプラットフォームを利用するというものがあげられます。具体的な発注方法は利用するサービスによっても異なりますが、大きく分ければ、「依頼内容を広く公開して応募を待つ方法」と、「条件に合った発注先を見つけて直接委託をする方法」の2種類があります。
前者は、企業がクラウドソーシングを取り扱っているサイトに登録を行い、外部委託したい案件を掲載したうえで受注者を募る方法です。後者はサイトに登録しているワーカーの属性やスキルを確認しながら、条件に合う発注先を探して指名する方法です。
プラットフォームによっては、「納期・金額重視」「スキル・クオリティ重視」「大量発注」「スピード重視」といったニーズに応じて、柔軟に発注先を絞り込めるものもあります。
自社のWebサイトを活用する
自社のWebサイトが充実している場合は、既存のプラットフォームを活用しなくてもスムーズに発注先を見つけられる可能性があります。この場合は、すでに自社の事業内容や業務について、ある程度の関心を持った人材を集められるのがメリットです。
また、自前のサイトを利用することから、採用にかかるコストも大幅に抑えられます。一方、すでに整備されているプラットフォームに比べて、クラウドソーシングに必要な機能やアクセス数を獲得するためには手間や労力がかかるのも事実です。
SNSを活用する
SNSの発展と利用者の増加にともない、クラウドソーシングの場面で活用されるケースも増えてきています。SNSを利用するワーカーのなかには、アカウントのプロフィールなどにより、スキルや経験に関する情報を発信している方もいます。
また、場合によっては専門的なポートフォリオへアクセスできるようにルートを設けているケースもあります。こうしたワーカーに対して、企業から直接アプローチを行い、業務委託契約を結ぶことも可能です。
SNSは企業から主体的にアプローチできるのがメリットであり、案件と人材のミスマッチを防ぎやすい面があります。ただ、クラウドソーシング向けに整備されているわけではないため、契約や成果、報酬のやりとりなどは企業自身でしっかりと方針を決めながら行う必要があります。
クラウドで業務委託を行うメリット
クラウドサービスを利用した業務委託には、通常の雇用形態にはないさまざまなメリットがあります。ここでは、3つのポイントに分けて見ていきましょう。
専門性・実績のある人材に依頼できる
クラウドソーシングを活用した業務委託では、自社の人材が保有していないようなスキル・経験を持ったワーカーを見つけられるのがメリットです。たとえば、プログラマーやエンジニア、通訳、芸術関連の職種のような専門性の高い分野においては、自社内に適した人材がいないというケースもめずらしくありません。
クラウドソーシングであれば、こうした専門性の高いスキルや実績を持った人物と接触できるため、事業の幅を大きく広げられるのが魅力です。
必要なときだけすぐに依頼できる
通常の雇用契約とは異なり、業務委託では特定の業務や一定の期間のみに限定して仕事を依頼できるのも特徴です。「プロジェクトの立ち上げ時に一時的な増員がしたい」「新規サービスの開発をサポートしてもらいたい」など、短期・長期にかかわらず、期日や業務内容を区切って人材を募集することができるのです。
また、単発での委託・継続的な委託など、契約方法の柔軟性が高いのもメリットといえます。
コストを抑えられる
クラウドソーシングによる業務委託は、低コストで新たな人的リソースを確保できるのが特徴です。クラウドソーシングサービスの利用時には、登録料や手数料がかかるのが一般的ですが、人材採用コストとして考えれば比較的に安価ではあります。
また、一から人材育成を行わずに専門的なスキルを持った人員を確保できるため、時間や育成コストの削減にもつながります。さらに、前述のように必要な業務・期間だけに区切って依頼ができるため、高い費用対効果が期待できるのもメリットです。
クラウドで業務委託を行う注意点
クラウドを利用した業務委託を行うにあたり、いくつか注意すべきポイントも確認しておきましょう。
信頼できる人材の見極めが難しい
クラウドソーシングでは、受注者と接する機会がどうしても限られてしまうため、信頼性を見極めるのは難しい面があります。採用に時間をかけて行う場合とは異なり、インターネットを通じたやりとりが中心となるため、業務に対する知識・スキル不足や納期遅れなどが起こるリスクもあるのです。
そのため、簡易であっても面談の機会を設けたり、事前に実績がわかる作成物を提出してもらったりするなど、ミスマッチを防ぐ仕組みが必要です。
業務委託契約書の重要性
業務委託を行う際には、契約の基本的な仕組みについても正しく理解しておく必要があります。業務委託においては、業務委託契約を交わすこととなりますが、厳密に言えば契約内容にはいくつかの異なるパターンがあるのです。
そのため、契約を行う際には、法律上のどの契約類型にあたるのかをきちんと理解しておきましょう。
契約類型 |
主な内容・目的 |
報酬の対象 |
委任契約 |
法律行為を委託する契約 |
労務の提供
または労務提供の成果
|
準委任契約 |
非法律行為(事実行為)を委託する契約 |
労務の提供 または労務提供の成果 |
請負契約 |
仕事の完成を義務付ける契約 |
成果物 |
委任契約とは、「訴訟行為の代理を弁護士に依頼する」「登記手続きの代行を司法書士に依頼する」などの具体的な法律行為を委託する契約です。それに対して、準委任契約は非法律行為を委託する契約であり、セミナーの講演や研究・調査、広告宣伝、システム開発といった法律行為を除くほとんどの行為が対象となります。
請負契約も、非法律行為の委託という点では準委任契約と同じ性質を持っていますが、報酬の対象に大きな違いがあります。準委任契約では労務の提供や労務提供の成果を基準の考えるのに対し、請負契約ではあくまでも「仕事の完成」や「成果物」が報酬の対象です。
クラウドソーシングで業務委託を行う場合には、委任契約が用いられるケースは限られているので、準委任契約と請負契約のどちらの性質を持っているのかを明確にしておきましょう。
必要に応じて秘密保持契約を交わす
業務を依頼する際には、受注者に対して重要なデータや個人情報などを渡さなければならないケースも少なくありません。そのため、必要に応じて秘密保持契約を交わすことも大切です。
業務委託契約書を作成する際には、秘密保持条項をきちんと盛り込んでおき、内容について受注者にも確認を促しましょう。
社内に人材やノウハウが蓄積できない
クラウドでの業務委託では、仕事を外注することにより、社内にノウハウやスキルが蓄積できない点が課題となります。特に、長期にわたって同一の業務を外注する場合には、代替案として社内の人材にスキルレクチャーの機会を用意したり、可能なポイントはマニュアルとして残したりするなどの工夫が求められます。
サポート体制の不安
業務の受発注においては、見積もり依頼や発注書の作成、成果物の確認、請求依頼、支払いといったさまざまなステップがあります。発注側には管理の負担がかかってしまうため、クラウドソーシングサービスを利用する際には、サポート体制の充実度にも目を向けておくことが大切です。
企業への業務委託のほうが良いケースも
クラウドでの業務委託は基本的にフリーランス、個人事業主が取引相手となります。しかし、そもそも業務委託契約自体は、企業対個人だけでなく、企業同士でも結ぶことが可能な契約方法です。
企業に業務委託をする場合は、個人に依頼する場合と比べて、業務の品質を全保証してくれるのがメリットです。そのため、高い品質が安定して求められる業務や専門性の高い業務などにおいては、こちらのほうが適している場合もあります。
各種業務の代行について、オンライン上で請け負うサービスを取り扱っている企業もあるため、業務の性質や種類に応じて依頼先を見極めましょう。
外注管理はオンラインアシスタント・秘書サービスを活用してみよう
クラウドソーシングの活用は、専門性の高いスキルや経験を持った人材に直接アプローチできるのが魅力です。自社の人材では補えない分野の業務が発生したときには、一から社内教育を行うのに比べて、コストを大幅に削減できます。
一方、社内においては、スケジュールの管理や契約書の製本、経理処理といった複雑な業務が増えるのも事実です。そこで、外注での業務委託が増えるようであれば、面倒なバックオフィス業務も外部へ依頼してみるのも一つの方法です。
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