インボイス制度はやらないとどうなる?対策方法を解説!
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2022年7月の参議院選挙で自民党が勝利したことで、インボイス制度の導入がほとんど決定しました。
ただ、インボイス制度は事業者にとってデメリットが大きいと言われており、インボイス制度に対応したくない事業者もいるでしょう。
今回の記事では、インボイス制度に対応しないとどうなるのか、またインボイス制度導入前後でできることについて解説します。
目次[非表示]
インボイス制度とは?
インボイス制度とは「適格請求書保存方式」のことをいいます。インボイス(適格請求書等)とは、適用税率や消費税の額を正確に伝えるためのものです。
なお「請求書等」とは、具体的には次のようなものを指します。
- ・請求書
- ・納品書
- ・領収書
- ・レシート
インボイス制度は売り手と買い手の両方に適用されます。
売り手側は、取引相手(買い手)から求められたときには、インボイスを交付しなければなりません。買い手側は、原則として取引相手(売り手)から伝えられたインボイスを保存する必要があります。
適用税率や消費税額を正確に伝えるという趣旨から、これまでの請求書(区分記載請求書)の記載事項に加え、登録番号と税率ごとの消費税額を記載することとされました。
インボイス制度はやらないとどうなる?
インボイス制度は義務ではないため、対応しないという手もあります。もし対応しなければ税免税事業者を継続できるため、売上1,000万円未満だと今まで通りで消費税の納付は不要です。
ただ、買い手側が免税事業者と取引を行う場合、取引先が免税事業者のままだと、仕入税額控除の施行はできません。
つまり、これまでと同じ取引先に発注しても、仕入税額控除額が減少し、納付税額が増加するのです。
そうなると、買い手側はわざわざインボイス制度を導入していない免税事業者と取引することも減ってしまうでしょう。
免税事業者がインボイス制度開始前にできること【対策法】
免税事業者の中にはフリーランスや個人事業主が多くいます。そのような方たちがインボイス制度開始前にできることを3つご紹介します。
- 課税事業者の届け出をする
- スキルを身につける
- 売上アップに取り組む
以下で詳しく解説します。
課税事業者の届け出をする
最も合理的なのは、インボイス制度に対応して課税事業者になることです。
売り手側がそこまで導入していないのであれば、課税事業者になるだけでも今後の取引に関して有利に働きます。
消費税計算には「原則課税」と「簡易課税」の2つがあるので、税負担が少なくなる計算方法を選択しましょう。
スキルを身につける
免税事業者に依頼することで、買い手側は納付額が増額します。そのため、免税事業者は仕事をもらえない可能性が高まります。
とはいえ、その人にしかできない唯一無二のスキルを持っている事業者であれば、関係ありません。
他の人が手に入れられないスキルや取引先にとって代えがたい能力のある方は、インボイス制度を導入しなくても、仕事をもらえる可能性もあります。
そのため、今のうちから競合との差別化を図ったり、スキルアップに取り組んだりすることで、取引先から求められる存在になりましょう。
売上アップに取り組む
スキルアップとつながるところもありますが、売上を伸ばすことに注力しましょう。
インボイス制度が導入されることで、これまでは消費税を納める必要がなかった方も、売上金額にかかわらず消費税を支払う必要があります。特に個人で仕事をしているフリーランスや個人事業主は、注意が必要です。
インボイス制度が導入されるまでに1,000万円以上の売上が出るように工夫したり、スキルアップをしたりして、事業基盤を安定させ、税負担に耐えられる環境を作りましょう。
課税事業者がインボイス制度開始前にできること【対策法】
ここからは、課税事業者がインボイス制度開始前に準備すべきことについて解説します。
- 事業者登録をする
- インボイス制度対応に活用できる制度を調べる
以下で詳しく解説します。
事業者登録をする
事業者登録の具体的な方法は以下の通りです。
- 適格請求書発行事業者の登録申請
- 取引先が適格請求書発行事業者登録を実施したか確認
- 適宜税額計算方法の一部変更・経理処理の煩雑化への対応
- インボイスの記載要件を満たした請求書の準備
- 適宜インボイス対応の機材やシステムの導入
まずは自社で適格請求書発行事業者の登録を行います。「適格請求書発行事業者の登録申請書」を作成して、管轄の税務署に提出します。
提出は窓口・郵送・e-Taxの3種類から選択できます。あなたが手続きをしやすい方法で行いましょう。
登録申請書フォーマットはこちら
適格請求書発行事業者登録が完了したら、取引している相手に登録しているか確認してください。もし、登録していなければ2023年3月31日までに手続きするよう伝える必要があります。
また、取引している会社や個人の中に適格請求書を発行しない免税事業者がいる場合、経理処理が煩雑化したり、税額計算方法の一部変更したりすることが予想されます。
インボイス対応の機材やシステムが必要な会社であれば、準備するまでの期間や相応の費用がかかります。あらかじめ予定を立てて準備するようにしましょう。
インボイス制度対応に活用できる制度を調べる
物価上昇や人材不足、働き方改革に加えてインボイス制度を導入することもあり、日本の中小企業や個人事業主は今までよりも経営が苦しくなることが考えられます。
中には、インボイス制度を導入することで納める税金が増えることを考慮し、設備投資をしたりITの導入をしたりして売上を伸ばしたい企業も出てくるでしょう。
そこで大切なのは、補助金制度を活用することです。補助金制度を知っているのか知っていないかの差で、今後の事業拡大に大きな影響を及ぼします。
- 小規模事業者持続化補助金:規模事業者などが販路開拓や生産性向上に取り組む費用の一部を補助する制度
- IT導入補助金:中小企業や個人事業主がITツールを導入する際に活用できる制度
活用できる制度がないのか、今一度確認してみましょう。
インボイス制度が始まった後で対応すべきこと
インボイス制度が実際に始まったら、適格請求書を保存する必要があり、経理作業が煩雑化することが予想されます。
適格請求書は「登録番号」や「適用税率」など、記載しなければならない事項があらかじめ定められています。もし内容に不備があった場合は適格請求書として認められず、仕入税額控除を受けられない可能性もあります。
そのため、請求書をこれまでよりも入念にチェックする必要があり、インボイス制度の開始直後は経理作業が煩雑となることが予想されます。
これまでの業務フローを見直したり、ITツールを導入して請求書の処理業務を効率化したりするなど、対応する必要があるでしょう。
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