ペーパーレス化に失敗する原因は?ペーパーレス化が失敗するケースと原因と合わせて紹介。
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ペーパーレス化にはコストの削減や、業務効率の向上、環境負荷の軽減など、さまざまなメリットがあります。しかし、一方でペーパーレス化がうまくいかず、かえって逆効果になっているケースも少なくありません。
そのような企業は、なぜペーパーレス化に失敗してしまったのでしょうか。今回は、ペーパーレス化の失敗例とその原因を解説し、失敗を回避するための対策をご紹介します。
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ペーパーレス化が失敗するケースと原因
ペーパーレス化が失敗したケースについて、代表的なものを原因と併わせて解説します。
従業員がペーパーレス化に協力しない
ペーパーレス化を導入しても、従業員が協力しないことがあります。環境を整備し、運用ルールを決めても、従来の方法で業務がまわっている、という状態です。
従業員の協力なしにペーパーレス化は実現できません。どうして、このような事態に陥ってしまうのでしょうか。
原因:ペーパーレス化について、周知できていない
ペーパーレス化について詳しく聞かされていないと、従業員は協力することができません。
管理者の中には、ペーパーレスな環境さえ整えれば、自然と利用してくれるだろうと考える人もいます。しかし、そのような意識でうまくいくことは稀です。
ペーパーレス化を社内全体に周知しなければ、従業員の意識が変わらないと考えましょう。
原因:突然の変更に対応しきれていない
ペーパーレス化によって業務内容が大きく変わりすぎると、従業員が対応しきれなくなります。
大量のルール変更や作業手順が追加されると、内容の把握にも、作業に慣れるにも時間がかかります。そのため、業務に支障が出ないように、従来の方法で業務をおこなわざるをえないのです。
現実的ではない急な変更は、従業員にとって大きな負担になります。
従業員が電子データを印刷して利用してしまう
資料を電子化したのに、従業員が資料を印刷して利用してしまうという失敗ケースも少なくありません。
ペーパーレス化の大きな目的の一つが、印刷コストの削減です。せっかく電子化したのに資料を印刷して利用されると、印刷コスト削減の効果は期待できません。
原因:従業員にペーパーレス化の目的を共有していなかった
従業員が書類を印刷してしまうのは、ペーパーレス化の目的を理解していないからかも知れません。電子化の目的が「データにアクセスしやすくする」だけだと勘違いしていたら、印刷コストについて考えるのはむずかしいでしょう。
ペーパーレス化によって印刷コストを節約できると理解すれば、印刷を避けるように意識してもらえます。
原因:電子化で可読性が下がってしまった
電子化によってデータが見づらくなったため、印刷をして利用している可能性もあります。
同じ書類でも、紙面とデバイスでは見え方が異なります。たとえば、A3用紙を想定した大きな書類などでは、デバイス上では文字が小さくなってしまい、可読性が著しく下がってしまいます。
また、資料が縦書きか横書きかによって、モニター上での見やすさが違ってくるでしょう。
可読性が下がり業務に支障が出るのであれば、資料のレイアウトを変更するなどの対策が必要です。
電子化作業が増えて、逆に効率が落ちてしまった
業務効率の向上を期待していたのに、逆に効率が落ちてしまうこともあります。これは主に、事前の検証が不十分だったことが失敗の原因です。
原因:作業手順の見直しを十分におこなわなかった
ペーパーレス化をおこなうことで、業務内容は少なからず変化します。作業手順が増えてしまい、従来よりも負荷が大きくなることもあるのです。
ペーパーレス化後の作業負荷がどれほどになるか推定することは必須です。あまりにも大きいようなら、作業内容を見直して、負荷を小さくする方法を検討しなければなりません。
原因:ペーパーレス化が目的になり、効率がおそろかになっていた
ペーパーレス化することが目的になっていると、得られる効果についての意識がおろそかになってしまいます。
ペーパーレス化は必ずしも良い効果をもたらすわけではなく、現場に悪影響を与える危険性もあります。そのため、時にはペーパーレス化しないという選択も必要です。
ペーパーレス化はあくまで手段ということは、覚えておかなければなりません。
電子データが必要なときに利用できない
電子化してデータへのアクセスが便利になるはずが、逆に不便になることもありえます。これは主に、環境整備に問題があります。
原因:ITインフラが整備されてない
社内のIT環境が不十分だと、従業員は必要なときにデータにアクセスできません。そのような環境では、以下のようなトラブルが起こりえます。
・ネットワークが不安定で、頻繁に止まる。
・ファイルサーバーの容量が少なく、保管できるデータが限られている。
・社内ファイルサーバーのIPアドレスが固定されていない。
・Wifiがないため、タブレットで社内ファイルサーバーにアクセスできない。
原因:電子データへのアクセス方法が、業務の実態に合っていない
電子データへのアクセス方法は、業務実態に沿って検討しなければなりません。
たとえば、テレワークや営業など、社外で業務を行う人がいたとします。そのような場合は、社内ファイルサーバーでデータ共有するのは適切ではありません。なぜなら、社外から社内ネットワークに接続することは困難だからです。
この場合は、オンラインストレージでデータ共有をおこなうのが適切でしょう。
実際の業務を想定してペーパーレス化を進めなければ、従業員にとって使いやすい環境は用意できません。
ペーパーレス化に失敗しないための5つの対策
ペーパーレス化に失敗しないためには、どのような対策をとればいいのでしょうか。前述のケースを踏まえて解説していきます。
社内にペーパーレス化の目的を周知する
ペーパーレス化の推進には、社内での意思統一が不可欠です。そのためには、従業員にペーパーレス化の目的を明確に周知しなければなりません。
ペーパーレス化にあたり、以下の要点を伝えるといいでしょう。
・どのような効果が得られるか。
・業務内容はどのように変わるのか。
・従業員が意識すべきことはなにか。
・注意すべき点はなにか。
ペーパーレス化をおこなう価値と、従業員たちがすべきことを伝えれば、社内で自発的に協力できる環境が生まれます。
少しずつ、段階的にペーパーレス化をすすめる
従業員は、普段の業務をおこないながらペーパーレス化に移行します。そのため、急激な変化には対応できません。
ペーパーレス化は、負荷の小さいものから少しずつおこなっていきましょう。
導入前に、ペーパーレス化で得られる効果を算定する
ペーパーレス化で、どのような効果が得られるのか十分に検証しましょう。
大事なことは、効果を数値化することです。たとえば、「印刷コストが20万円節約できる」、「作業時間が月に20時間削減できる」といったものです。
できるだけ詳細にシミュレートすることで、期待値を正確に算出することができます。
検証の結果、思ったよりも効果がないと判断した場合は、やり方を改善するなどの対策を打ち、失敗を回避できます。
作成する資料の見直しをする
デバイス上で見やすいように、資料作りを工夫することが必要です。
従来の書類は、紙媒体での利用が前提になっています。そのため、中にはモニターやタブレットでは見にくいレイアウトのものがあります。
電子化をすすめていくにあたって、書類作りもデバイスでの閲覧を前提にしたデザインにしなければなりません。縦横の比率、文字の大きさ、1ページあたりの文字数など、気になる点は少しでも改善しましょう。
しかし、中にはどうしてもデザインを変えられないもの、印刷したほうが使いやすいものもあります。その場合は、例外的に印刷を認めるなどの柔軟な対応をすべきです。
従業員がアクセスしやすい環境を整える
必要なときに必要なデータにアクセスしやすいように、環境を整備しましょう。古いLANケーブルで速度が出ない、ファイルサーバーの容量が少ないなどインフラに問題があると、業務に支障が出てしまいます。
ペーパーレス化でITインフラの重要性は高くなるので、積極的に改修をしましょう。
また、すべての従業員がデータにアクセスできる環境づくりも大切です。テレワークや外出の多い従業員でも、必要なときにファイルを取得できるようにしましょう。
ペーパーレス化の成功には、準備と検討が大切!
ペーパーレス化失敗の主な原因は、検討や準備が不十分なままのペーパーレス化を始めてしまうことにあります。
「なぜペーパーレス化をするのか」、「どのような効果を得られるのか」、「従業員はなにをすればいいのか」等、考えるべきことは山程あります。
具体的なイメージが見えるまで、しっかりと計画の内容を詰めていきましょう。その過程で課題や問題を見つけ、事前に対処することで、ペーパーレス化の失敗を防ぐことができます。
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