スタートアップ企業とは? 基本的な知識と日本の現状についてわかりやすく解説

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最近、スタートアップ企業という言葉を耳にする機会が増えてきました。興味を持っているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
しかしながら、「スタートアップ企業とはなにか」を明確に説明できる方は案外少ないかもしれません。

今回のコラムでは、スタートアップ企業について基本的な知識を解説し、日本のスタートアップ企業の現況を紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 1.スタートアップ企業とは
  2. 2.スタートアップ企業とベンチャー企業の違い
  3. 3.スタートアップ企業の3つの特徴
    1. 3.1.高い社会貢献が期待できる
    2. 3.2.短期間での成長を目指している
    3. 3.3.Exit戦略を最終目標にしている
  4. 4.スタートアップ企業における起業のメリットとリスク
    1. 4.1.メリット
    2. 4.2.リスク
  5. 5.日本のスタートアップ企業
    1. 5.1.成功した代表的なスタートアップ企業
    2. 5.2.今後注目のスタートアップ企業
  6. 6.今後の日本のスタートアップ企業の創生と成長性 
  7. 7.まとめ
  8. 8.スタートアップのお悩みは『グランサーズ株式会社』にお任せ!

スタートアップ企業とは

スタートアップ企業は、会社の規模や設立年とは関係なく、世の中にない革新的な技術・サービスを提供することで、社会にイノベーションを起こし、短期間にその新しいビジネスモデルを世間に浸透させることを目的とします。
また、急成長を果たした後の、IPO(株式上場)や事業売却を行うといったExit戦略(出口戦略)を目的としている場合も多いです。

スタートアップという言葉は、アメリカのシリコンバレーで生まれました。
Google 、Amazon、 facebook、 Uberといった、イノベーションを起こし短期間で急成長を遂げた会社をスタートアップ企業と呼ぶようになったことに由来します。
そうして生まれた言葉が、日本でも使われるようになったのです。

ところで、日本でよく聞く「ベンチャー企業」という言葉は、海外には存在しない和製英語です。日本では、資金調達をする際に、ベンチャーキャピタル(VC)から資金を得て運営をする会社のことをベンチャー企業と呼んでいます。



スタートアップ企業とベンチャー企業の違い

ベンチャー企業とスタートアップ企業は、よく混同されますが、ビジネスモデルに大きな違いがあります。

ベンチャー企業は、自社の柱となる既存の事業で安定的な利益を確保しつつ、事業の改良、新事業や新サービスの提供を果たすことで、長期的で包括的な業績アップを目指すというビジネスモデルをとります。
組織としても事務部門・製造部門・サービス部門など、各部門がある程度の人員で構成されています。

一方、スタートアップ企業は、革新的な技術・サービスで新規市場を開拓して0から1を作り出すというビジネスモデルです。この点がベンチャー企業との大きな違いです。
また、少人数のため、組織として部門に分かれておらず、新進気鋭な起業家の集まりからスタートするのが一般的です。


スタートアップ企業の3つの特徴

まとめると、スタートアップ企業の特徴は下記の3つのです。


高い社会貢献が期待できる

ビジネスにイノベーション性があり今までにないモノを提供するため、社会貢献性が期待されています。


短期間での成長を目指している

スタートアップ企業が成功する場合、

・立ち上げ時から製品・サービスが認知されるまでは、大きな赤字が続く
・市場に認知されて利用され始めると、短期間で売り上げが急激に伸びていく

という特性があります。
今まで世の中になかった製品・サービスであるからこそ、市場で受け入れられた場合の売上増は急激なものとなります。


Exit戦略を最終目標にしている

ビジネスを成功させることで、最終的にはIPOや事業売却などを考えている企業が多いです。


スタートアップ企業における起業のメリットとリスク

メリット

新しい技術、サービスを提供することで、世の中にインパクトを与え、社会貢献をして利益を得るということは、非常にやりがいのあるビジネスです。
また、成功すれば利益が飛躍的に伸びるというメリットがあります。
さらに「ストックオプション」を採用することで、企業の立ち上げ時に運営者・スタッフに自社株を購入できる権利を与えることができます。IPO後に株価が高く評価されれば、自社株の売買を通じて個人的に大きな利益を得ることも可能です。


リスク

まずは、先が見えない中で事業を進めていかなければならないので、精神的なタフさが求められます。
そして、市場を新規開拓していく上では、どのようなやり方なら利用者に受け入れられるかなど、多くのトライ&エラーを繰り返していく必要があり、そのための資金集めも必要になります。
また、一般的にスタートアップ企業は少人数で運営していくことが多いです。そのため、業績の見通しが不透明な中で、少人数のスタッフのモチベーションを高め、目標達成への意思統一を図っていくが重要となります。何かのキッカケでスタッフが辞めてしまうという人的リスクが運営につきまとうことになります。

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日本のスタートアップ企業

ここでは、日本で成功した代表的なスタートアップ企業と、今後の成長とイノベーション性が注目されているスタートアップ企業をご紹介します。


成功した代表的なスタートアップ企業

メルカリ・・・フリマアプリの事業およびスマホ決済サービスメルペイを運営

BASE・・・ECサイト事業の開発・運営、スマホのスマート決済サービスの提供

PRTIMES・・・インターネット上のコミュニケーションプラットフォームの運営、PR戦略コンテンツの開発


今後注目のスタートアップ企業

SkyDrive・・・空飛ぶクルマの開発および実用化、物流ドローンの開発等

SkyDrive

AGRIST・・・AIを利用した農作物の自動収穫ロボットの開発


GITAI JAPAN・・・宇宙用作業ロボットの開発および製造


MICIN・・・AIデジタル技術を活用した医療革新

これらの企業の事業内容は、革新的なモノ・サービスの開発です。
日本はもちろん、海外からも注目を浴びており、これからの日本を代表するスタートアップ企業として非常に期待されています。


今後の日本のスタートアップ企業の創生と成長性 

現在、経済産業省がJ-Startupというスタートアップ企業の支援育成プログラムを進行しています。
日本には約1万社のスタートアップ企業がありますが、軌道に乗りグローバルに活躍し、注目を浴びている企業はごく一部であるのが現状です。

今後、スタートアップ企業がグローバルに活躍できるようになるためには、大手企業からの業務提携・支援といったバックアップ体制が必要になります。

また、外国人に比べると日本人は保守的な傾向があります。大手企業の優秀な研究者や技術者が今の会社を退職して、スタートアップ企業の立ち上げから再スタートするかと言えば、難しい面があると思います。
だからこそ、大手企業が柔軟な思考を持って、優秀な人材をスタートアップ企業へ出向させたり、そのチャレンジに対する報酬制度や成功報酬を準備するなど、大手企業側の変革も必要になってきます。

そのような体制が整えば、スタートアップ企業の技術・サービスの向上も、製品・サービスの市場へのマーケティング活動もスピード感があるものになるはずです。



まとめ

世界的に見ると、アメリカ、イギリス、インド、中国といった国は、スタートアップ企業が生まれやすく成長しやすいと言われています。
一方日本は、まだ世界と比べてスタートアップ企業が少ないのが現状です。

とはいえ、日本の起業家や技術者・研究者が海外と渡り合えないというわではありません。

日本の起業家や技術者・研究者がもつポテンシャルを引き出せるような企業の在り方と政府の支援がマッチすれば、日本のスタートアップ企業はもっと成長し活躍できるようになるはずです。


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監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。
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