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CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)とは?特徴や事業への活用方法を紹介

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ベンチャー企業に資金を投じて運営を支援する方法の1つに、コーポレートベンチャーキャピタル(以下CVC)があります。

CVCは近年多くの大企業が取り扱い、将来性のあるベンチャー企業へ出資を行っています。

CVCと混同して理解されやすいものに、ベンチャーキャピタル(以下VC)がありますが、両者の違いはどんなところにあるのでしょうか。

CVCの特徴やVCとの違い、事業における活用方法について解説をしていきます。

目次[非表示]

  1. 1.そもそもCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)とは?
    1. 1.1.通常のVC(ベンチャーキャピタル)との違い
  2. 2.CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)のメリット
    1. 2.1.直接投資のリスクを回避できる
    2. 2.2.機動性を確保する
  3. 3.CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の形態は2種類
    1. 3.1.ジェネラルパートナーを子会社にする
    2. 3.2.ジェネラルパートナーを第三者にする
  4. 4.CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)運用におけるポイント
    1. 4.1.設立の目的の明確化
    2. 4.2.社内体制の見直し
    3. 4.3.出資先との信頼関係を築く
  5. 5.まとめ

そもそもCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)とは?

そもそもCVCとはどんな出資形態なのでしょうか。

将来性のあるベンチャー企業へ出資するということはイメージできる方も多いかもしれませんが、VCとの違いやCVCならではの特徴を理解していない方も多いかもしれません。

CVCは、投資を専門に行わない事業会社がファンドを設立して他社に対して投資を行う行為、あるいはその組織のことを指します。

CVCを活用する目的は、投資による利益獲得よりも、事業会社自体が行う事業の拡大や成長・多角化であることが多いです。


通常のVC(ベンチャーキャピタル)との違い

通常のVCとCVCとは、ともに将来性のあるベンチャー企業に出資をするという点で同じですが、両者には大きな違いがあります。

まず、組成の目的が異なります。

VCは、他企業への出資をして成果を上げさせることで得られるキャピタルゲインの獲得を目的にしています。

一方、CVCの目的は投資利益の獲得というよりは自身の企業の事業自体にプラスになることを目指します。

したがって、VCの出資先は業種などにこだわりがないことが多いですが、CVCの出資先は事業会社と関連のある業種であることが大半です。

次に、出資者及び組成方法に違いがあります。

VCの出資者は当該企業そのものであることが大半ですが、CVCの場合は事業会社とは別にファンドを設立します。

ファンドは、事業会社独自で運営することもあれば、他社と共同で組成することもあり、あるいは専門のVCに委託するケースもあります。

ファンドの組成に期限を設けるのが一般的で、5~10年程度の期限で運用を終えることが多いです。

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CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)のメリット

CVCを採用することには、どんなメリットがあるのでしょうか。

事業会社そのものがVCの役割を担い、直接的にベンチャー企業に出資をするという選択肢もある中、CVCを行うことには一定のメリットがあります。

主なメリットを、以下に2点紹介します。

 ・直接投資のリスクを回避できる
 ・機動性を確保する


直接投資のリスクを回避できる

CVCを採用するメリットの1つ目は、直接投資におけるリスクを回避するということが挙げられます。

ベンチャー投資は、リターンが大きいですが同時にリスクも大きい運用方法です。

出資先のベンチャー企業の事業が成功してIPOによる上場を果たせば、大きなリターンが得られますが、事業がうまくいかないこともあります。

場合によっては出資した資金が戻ってこない可能性もある、リスクの大きな運用です。

その点、CVCを採用することにより、ベンチャー投資が失敗したときのワンクッションの役割を持たせられます。

投資失敗の損失を事業会社が負う前に、対策を講じる余地を残せます。


機動性を確保する

CVCを採用するメリットの2つ目は、機動性の確保にあります。

ベンチャー投資をする際には、タイムリーに出資を実行できる高い機動性が必要になる場面があります。

事業会社が直接出資をする形式の場合、出資を行う前の意思決定に時間を要することが少なくありません。

その間に出資の機会を逸してしまう恐れがあります。

その点、出資専門のCVCを作っておけば、機動性の高い出資活動を行い、ベンチャー投資が成功する可能性を高めることができます。

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CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の形態は2種類

CVCの形態には、主に以下の2種類があります。

 ・ジェネラルパートナーを子会社にする
 ・ジェネラルパートナーを第三者にする

それぞれに特徴やメリットがあるため、CVCを実行する前にどの形態が適切なのか、よく検討をしましょう。


ジェネラルパートナーを子会社にする

CVCの形態の1つ目は、ジェネラルパートナーを子会社にする方法です。

CVCを実行する目的で子会社を設立し、ベンチャー出資の具体的な運営はその子会社が行い、資金の出資は親会社の事業会社が行う形式になります。

この形態の場合は、ベンチャー投資に対して事業会社が主体的に関わるため、事業会社の意向を直接的に反映させやすいというメリットがあります。

一方、出資が失敗したときのリスクも大きく抱えることにつながるというデメリットがあります。


ジェネラルパートナーを第三者にする

CVCの形態の2つ目は、ジェネラルパートナーを第三者の企業にする方法です。

第三者のVCなどに出資活動の管理を委託し、事業会社は資金のみを提供するという形式です。

事業会社自体の意向を出資に反映させることが難しくなるというデメリットはありますが、経験豊富なVCを起用し管理をさせることで、VCのノウハウをベンチャー出資に取り入れられるというのは大きなメリットです。

ベンチャー出資のノウハウを持たない事業会社でも、比較的安心して取り組める形態といえるでしょう。

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CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)運用におけるポイント

CVCを実際に活用するうえで注意するべき運用上のポイントとは、どんなものでしょうか。

成功するために抑えるべきポイントを以下に3つ紹介します。

 ・設立の目的の明確化
 ・社内体制の見直し
 ・出資先との信頼関係を築く


設立の目的の明確化

まずは、CVCを設立する目的を明確にしておくことが重要です。

新しい事業を立ち上げて今後の新規開拓を狙う、あるいはベンチャー企業の新しい技術を自社の製品開発に取り入れる、などの大まかな目的を決めることがまず必要です。

さらに細分化して対象の企業を絞り込むことも大事になります。

例えば、どんな技術を取り入れるのか、あるいは出資先企業の事業規模はどのくらいが理想か、など具体的なビジョンを作り上げることが必要になるでしょう。


社内体制の見直し

次に、CVCを行なう上での社内体制を見直すことが必要です。

CVCは、単に資金を出資して終わりというわけではありません。

出資先担当者と密に連携を取ってともに事業を展開していく、といった意識を持つことが重要で、そのための人員を確保する必要が出てきます。

最初は少数精鋭で問題ないかもしれませんが、事業が拡大していけば人員を厚くしていく必要が出てきます。

CVCを開始するにあたり、人員配置を中心とした社内体制の見直しは必須といえるでしょう。


出資先との信頼関係を築く

出資先と事業会社との信頼関係を築くことは、CVCを成功に導くための必須条件といえます。

出資している側の方が立場が上という意識を持っていては、信頼関係を築くことは難しいでしょう。

出資先は新しい技術やツールを世に提供するための重要なパートナーであるという意識を全従業員が持つことが大事です。

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まとめ

CVCは、現在注目を集めている出資形態です。

実際にCVCを実践している企業も多く見られます。

しかし、VCのように出資して利益を獲得することが全てになってしまっては、CVCの特徴を活かすことができません。

新しい技術を開発するために、出資先とともに協力して取り組むといった姿勢を会社全体で持つことが、CVCを成功させるうえで欠かせない条件といえるでしょう。

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監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。
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